『年中行事絵巻』日本絵巻大成 8-21 【巻二 検非違使 白張の雑色 加倍従(くわえべいじゅう)】九紙〜十二紙 中央公論社 小松茂実編
日本絵巻大成 8 巻二 九紙〜十二紙
檳榔毛車(びろうげくるま)には、検非違使の一行。
『伴大納言絵詞』や『平治物語絵詞』にも出てくる。
風流(ふりゅう)のすげ笠の下には、白張の雑色たちの一行。
近衛の加倍従(くわえべいじゅう)(神楽の管弦に従う楽人)。
中の一人は、笛を吹いている。
検非違使
検非違使(けびいし、けんびいし)は日本の律令制下の令外官の役職である。
風流(ふりゅう)
風流(ふりゅう)とは、中世以後の日本において高揚した美意識の1つ。 人目を驚かすために華美な趣向を凝らした意匠を指し、婆娑羅や数寄とともに侘び・寂びと対峙する存在として認識された。 後にはこうした意匠に沿った芸能や美術・建築などにも用いられた。
白張(はくちょう)
(白張 白丁、 はくちょう しらはり しらばり)
白張(はくちょう)とは、主に平安時代の下級官人によって着用された衣装の1つ。
「白丁」とも表記し、「しらはり/しらばり」とも読んだ。
雑色(ぞうしき)
雑色(ぞうしき)とは、 日本の律令制下の令外官の1つである蔵人の職位の1つ。
蔵人
蔵人(くろうど)
《「くらひと」の音変化》
1 蔵人所(くろうどどころ)の職員。
もと皇室の文書や道具類を管理する役であったが、蔵人所が設置されて以後は、朝廷の機密文書の保管や詔勅の伝達、宮中の行事・事務のすべてに関係するようになった。
くらんど。
2 「女蔵人(にょくろうど)」の略。
《「くらうど」の音変化》「くろうど(蔵人)1」に同じ。
近衛の加倍従
姓氏の一。
五摂家の一。
平安末期の関白藤原忠通の長男基実を祖とし、その子基通が京都近衛殿に住み、これを家名とした。
以後、歴代摂政・関白・太政大臣を出した。
明治になって公爵。
近衛篤麿 (このえあつまろ) 近衛家熙 (このえいえひろ) 近衛前久 (このえさきひさ)
近衛信尹 (このえのぶただ) 近衛秀麿 (このえひでまろ) 近衛文麿 (このえふみまろ)
加倍従
(くわえべいじゅう)(神楽の管弦に従う楽人)