富田高至 編者
恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』 38 十七丁裏、十八丁表
和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年
38 十七丁裏、十八丁表
◯をかし紀の川に、狩して大きなる鮒を
鯉といひけれは、よめる、
きの河の おおきなる鮒を山家なる
人はこれをつく鯉といふらん
山家人返し
見さらゐは やすゐものハ鯰おも
鯉とハいふとおもふわれれらも
『仁勢物語』和泉書院影印業刊
きの河の おおきなる鮒を山家なる
人はこれをつく鯉といふらん
『伊勢物語』岩波古典文学大系9より写す
君により 思ひならひぬ世の中の
人はこれをや 戀といふらん
『仁勢物語』和泉書院影印業刊
見さらゐは やすゐものハ鯰おも
鯉とハいふとおもふわれれらも
『伊勢物語』岩波古典文学大系9より写す
ならはねば 世の人ごとに何もかも
戀とはいふと問いし我しも