今昔狐夜噺 16 (いまハむかし きつねのよばなし) 十四丁裏 十五丁表 上、中、下 十返舎一九 画・作
早稲田大学図書館 (Waseda University Library)所蔵
https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01216/he13_01216.html
今昔狐夜噺 上,中,下 (合本)
十返舎一九 画・作 1765-1831
1冊(合3冊) ; 18cm
[江戸] : [榎本屋吉兵衛], [寛政9(1797)]
黄表紙
今昔狐夜噺十三丁裏
らくさいハ
かのせん
ざいものを
ふねにつ
ませほん
ぜうのあた
いちにだして
とりはらい
そのかねにて
ぢめんの
うちにひとつ
のこらす
たて、せういち
ゐのくわんい
をもらひ
いなりの
中ろと
すへのよ
までながく
まもりがみ
とあふぐ
べしと
しそんまで
も いゝおくり
ておこたら
ず、まつり
けるゆへ、かみも
今昔狐夜噺十四丁表
人のうやまふ
によつて、□(欠け)を
ましければ、
そのしそんも
かみのめぐみ
に、あいあたじ、
さいなんを
のぞきふく
とくそく
せうの
はるを
むかへて
行すゑ
ながく
ことぶき
けるとなり
「このさうしにハ
さつぱり
あいきやうが
□(欠け)うつた
□(欠け)へこゝで
おのぞみ
し□(欠け)いお目に
かけます、
今昔狐夜噺十三丁裏 下
「いつも はつ
むまハ にぎ
やかな事
じや
今昔狐夜噺十四丁表 下
「かへりにハ
くさぞう
をたんと
かつてやりま
せふ
一 九 画 作
今昔狐夜噺十三丁裏
楽斎は
かの潜在物を
船に積ませ、
本庄のあたいちに
出して
取り払い、
その金にて
地面の
内に一つ
残らず
立て、せいいち
一(い)の官位
を貰い、
稲荷の
中ろと
末の世
まで永く
守り神
と仰ぐ
べしと
子孫まで
も 言い送りて、
怠らず、
奉りける故、
神も
今昔狐夜噺十四丁表
人の敬う
によつて、□(欠け)を
増しければ、
その子孫も
神の恵
に、相あたじ、
災難を
覗きふく
とくそく
しょうの
春を
迎えて
行き
末長く
寿けると成り
「この草子には
さつぱり
愛嬌が
□(欠け)うつた
□(欠け)へ此処で
お望み
し□(欠け)いお目に
掛けます、
今昔狐夜噺十三丁裏 下
「いつも 初午は
賑やかな
事
じや
今昔狐夜噺十四丁表 下
「帰りには
草双(紙)
をたんと
買ってやりま
しょう
一 九 画 作
「いつも はつ
むまハ にぎ
やかな事
じや
初午
二月になって最初の午(うま)の日。その日に行われる稲荷(いなり)神社の祭り。
2月最初の午(うま)の日(2020年は2月9日)。
本来は、農作業が始まる旧暦の2月に行われていました。
711年(和銅4年・奈良時代)のこの日に、稲荷社の本社である京都の伏見稲荷大社に稲荷大神が鎮座されたといわれています。
この日をしのび、伏見稲荷大社をはじめ、愛知の豊川稲荷や佐賀の祐徳稲荷神社など、全国の稲荷神社で盛大にお祭り(初午大祭)が行われます。
また、立春を迎える2月の最初の午の日は、一年のうちで最も運気の高まる日とされています。
※「午(うま)」は方位の南を示し、時間は正午を表わします。この時間は太陽が最も高く上がり、一日のうちで陽光の力が最も強まる時といわれています。
稲荷大神のお使いとされているのがきつねです。初午の日には、その好物といわれている油揚げやお団子などをお供えします。
餅まきが行われる地域もあります。
くさぞう
草双紙
江戸時代、大衆めあてに書かれた絵入り小説本の総称。
文章は平仮名を多く用いる。
赤本・青本・黒本・黄表紙・合巻(ごうかん)物など。
とうとう、『今昔狐夜噺』の本文が終わってしまった。
コロナが収束してほしい!
劇場で、
歌舞伎が見たいワイ!