仮名手本胸之鏡(上中下読了^^v) 17 下 五丁裏
早稲田大学所蔵
https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_02946/he13_02946_0054/he13_02946_0054.html
仮名手本胸之鏡(上中下読了^^v)
仮名手本胸之鏡 下
山東京伝 作
歌川豊国 画
早稲田大学デジタル図書
通油町(江戸) [蔦屋重三郎]
寛政11 [1799]
黄表紙
仮名手本胸之鏡 下 17 五丁裏
提灯14個に書かれた文字
い ろ に
ま よ ふ な
さ け は
ご む よ う
下 五丁裏 上
大ぼしか いろとさけとをもつて
かたきをあざむき、大功(たいこう)をたて
たれをも世(よ)の人のふちうふつうを
なす、そのみなれハ、たぶんいろと
さけなり、此二つを
つゝしまば
いつしぞか
心がす
くして
みをあや
めること
なかるべ
し
がてん
か
/\
下 五丁裏 下
京傳作
◯山東京傳作にて
忠臣(ちうしん)水滸伝(すいこでん)と申、五さつもの
おもしろきものがたりもの
出来仕候、これハちうしんぐら
を すいこでんのすぢにかき
とりさバきうしあり
◯京傳、店にてあきなひ候、はな
かみぶくろかひ
御かみたばこ入候 キセルの絵
べつしてとう年ハめずらしき
しんがたおほく御ざ候あいだ
にもとめ可被下候
千秋萬歳
めでたく
筆をとゞむ
仮名手本胸之鏡 下 17 五丁裏
提灯14個に書かれた文字
い ろ に
ま よ ふ な
さ け は
ご む よ う
色に迷うな
酒はご無用
下 五丁裏 上
大星が 色と酒を以って
仇を欺き、大功(たいこう)をたて、
誰をも世(よ)の人のふちゅうふつうを
なす、その見慣れは、たぶん色と
酒也、この二つを
慎しまば
いつしぞか
心が空く(すく)
して
身を殺(あや)
めること
なかるべ
し
合点
か
合点
か
下 五丁裏 下
京傳作
◯山東京傳作にて
忠臣(ちゅうしん)水滸伝(すいこでん)と申す、五冊物
面白き物語もの
出来仕(つか)わし候、これは忠臣蔵
を 水滸伝の筋に書き
取り、さばき、うし有り
◯京傳、店にて商い候、
鼻紙袋買い
御紙煙草入れ候 キセルの絵
別して当年は珍しき
新型、多く御座候間(ござそうろうあいだ)
に、求め下されるべく候
千秋萬歳
めでたく
筆を止どむ
い ろ に
ま よ ふ な
さ け は
ご む よ う
大ぼしか いろとさけとをもつて
かたきをあざむき、大功(たいこう)をたて
↓
大星の色と酒にのめった様に見せかけ、作り阿呆で大成をなす。
この場面の大星は片岡仁左衛門がいとよろし。
芝居見たいや
見たやの芝居
芝居見たやで
読む草子
忠臣蔵
を 水滸伝の筋に書き
取り、さばき、うし有り
忠臣蔵を 水滸伝の筋に書き取り、さばき、無くなってしまった。
もとめ可被下候
求め下されるべく候
千秋萬歳
歳月の非常に長いこと。また、長寿を祝う言葉。▽「千」「万」は数の非常に多いことを示す。「秋」「歳」はともに年のこと。千年、万年の非常に長い年月の意。「万歳」は「ばんぜい」「まんざい」とも読む。