180:『日本絵巻大成11 長谷雄 絵師草紙』より「絵師草紙」
小松茂美(編)
日本絵巻大成 11
中央公論社
1977
定価 ¥8800(税込)
「絵師草紙」を読む。
冒頭の詞書と最後の方の絵数枚が、こころもとない何者かによって切り取られつがれている。
残念…
「絵師草紙」と言うからには筋書きが二転三転するのかと思いきや、そうでもない。
仕事で肩すかしを喰らい、頼みに行く。
頼みは仕事+近く
いつまでたっても返事がないので、絵師は悟りをひらく
絵師は仏門帰依を企て一人の娘を真言の寺に入れ、自らの後世を祈った。
絵師と聞けば 芝居『傾城反魂香』を思い浮かべる。
絵師の師匠は立派な暮らしだが、名取りにならねば暮らしは険しそうだ。
「絵師草紙」ではいっぱしの仕事が命じられる(可能性があったのだから)、どういう立場なのか…
それにしても極貧の暮らしぶりに対し、『傾城反魂香』と同じく妻がおおらかで出来が良い
貧乏を描く場合、あばら屋と 鼠や空の茶碗や鉢がころがって描かれることが多い。
逆に貴族や金持ちの風習としては、庭先に犬や物乞いがねだる場面が描かれる場合も多々あり。
絵巻物って、風習をいろいろ知ることができて面白い(*^-^*)
輸送用ダンボールに入れたまま、写真を写しています^^
このカバーをとると、普通に箱に入った本です^^