仮名手本胸之鏡 下 13 一丁表
早稲田大学所蔵
https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_02946/he13_02946_0054/he13_02946_0054.html
仮名手本胸之鏡 下
山東京伝 作
歌川豊国 画
早稲田大学デジタル図書
通油町(江戸) [蔦屋重三郎]
寛政11 [1799]
黄表紙
仮名手本胸之鏡 下 13 一丁表
下 一丁表
これハうすから
でたまことにて
ちとこじつけなり
下 一丁表右に立つ臼をつく女
臼から 扇を持った男 まこと
由良助は手紙を読む、その手紙を、縁の下に隠れて、
盗み読む斧九太夫(おのくだゆう)の画が写る鏡の下
かゞみ
のべ鏡
うそからでたまことで
なすれバなハとげぬとハ
むべなるかな、よの中にハ
うそから
でたうそ
おほし
まこと
ある人ハ
すけ
なき
もの
なり
「わたしとちつとの
うち、ざひしよにおらん
でたとや、ばゞんつれて
と、むぎつきかたも、
すこしハおぼへて
いやんす
鏡の中の画 由良助は手紙を読む、その手紙を、縁の下に隠れて、盗み読む斧九太夫(おのくだゆう)。 大星力弥(おおぼしりきや)が、亡君・塩冶判官(えんやはんがん)の妻・顔世御前(かおよごぜん)からの手紙を持って来る。手紙を読む。 と、そこへ塩冶判官の家老、家老・斧九太夫(おのくだゆう)が来る。九太夫は高師直と通じている。 由良助に仇討ちの意思があるか確かめようとした。 由良助が去り、師直の家来・鷺坂坂内(さぎさかばんない)がくる。 由良助に仇討ちの意思なしとしる。 九太夫は更に手紙が気になり、縁の下に隠れる。 由良助は顔世御前の手紙を読む。 縁の下では九太夫がそれを透かし読み、落ちた端切れを懐に隠す。 二階には寺岡平右衛門の妹であり早野勘平(はやのかんぺい)の妻の、遊女おかるが。 その手紙を覗き見していた。 おかるが簪(かんざし)を落とし、覗かれていたことに気づいた由良助も気づき、手紙を閉じて はっつ! ↑ 此処、見せ場の一つ!^^! 由良助、おかるを口封じに殺すしかないと決意。 おかるに遊郭から請け出そうと申し出、金を払ってくるから待っているよう言って去るが、云々。 あぁあ〜、 芝居が見たい!!!
仮名手本胸之鏡 下 13 一丁表
下 一丁表
これは臼から
出た誠にて
ちとこじ付け也
下 一丁表右に立つ臼をつく女
臼から 扇を持った男 まこと
由良助は手紙を読む、その手紙を、縁の下に隠れて、
盗み読む斧九太夫(おのくだゆう)の画が写る鏡の下
かゞみ
のべ鏡
嘘から出た誠で
なすれば、名は遂げぬとは
むべなる哉、世の中には
嘘から
出た嘘
多し
誠
有る人は
少
なき
物
也
「私とちっとの
内、在所に居(お)らん
出たとや、婆ん連れて
と、麦つき方も、
少しは覚えて
いやんす
これハうすから
でたまことにて
ちとこじつけなり
臼から出た誠 → 嘘から出た誠