仮名手本胸之鏡 中 12 五丁裏 六丁表
早稲田大学所蔵
https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01505/
仮名手本胸之鏡 中
山東京伝 作
歌川豊国 画
早稲田大学デジタル図書
通油町(江戸) [蔦屋重三郎]
寛政11 [1799]
黄表紙
仮名手本胸之鏡 中 12 五丁裏 六丁表
中 五丁裏上
さけハ人をよハ
しむる
ものなれども
こゝろさだ
まりたる
人をよハしむる
こと、あたわず
いろハ人をま
よハしむるもの
なれども、一心の
たゞしき人をまよハ
しむる事あたハず
中 五丁裏右 本心の着物をきて立つ男の手から、
座る男二人に火売り投げられた球は
色
酒
中 五丁裏下
「大ぼしハ、酒といろ
とをもつて、かたきの
めつぶしに うち
かたきのまなこをくらます、
「大ぼしハ
ちうぎのほん
しんをばちやんと
ふところへおさ
めて、人にみす
ること
なし
鏡の中の画(大星は人中から酒を飲んで阿呆で怠惰を装い、周りの動きを探っている)の下
人のかゞみ
中 五丁裏下
ばんない
「いやはや、とんときち
がいのようで、ござるはへと
いふが、すなわち、めつぶしを
うたれたるゆへなり、
鏡の中の画
大星は人中から酒を飲んで阿呆で怠惰を装い、周りの動きを探っている。
仮名手本胸之鏡 中 12 五丁裏 六丁表
中 五丁裏上
酒は人を酔わ
しむる
物なれども
心定
まりたる
人を酔わしむる
事、与わず
色は人を迷わしむるもの
なれども、一心の
正しき人を迷わ
しむるしむる事あたはず
中 五丁裏右 本心の着物をきて立つ男の手から、
座る男二人に火売り投げられた球は
色
酒
中 五丁裏下
「大星は、酒と色
とをもつて、仇の
めつぶしに 打ち
仇のまなこをくらます、
「大星は
忠義の本
心をば、ちやんと
懐へ納
めて、人に見す
る事
無し、
鏡の中の画(大星は人中から酒を飲んで阿呆で怠惰を装い、周りの動きを探っている)の下
人のかゞみ
中 五丁裏下
伴内
「いやはや、とんと気狂い(きち
がい)の様で ござるはへ,と
言うが、すなわち、めつぶしを
打れたるゆへなり、
仮名手本胸之鏡 中読了^^v