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『疱瘡心得草』13 12丁裏 13丁表 志水軒朱蘭 述 

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    『疱瘡心得草』13 12丁裏 13丁表 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26

 
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 『疱瘡心得草』

 

 

 


国立国会図書館所蔵
12丁裏

表(おもて)に、山上(やまあげ)の熱(ねつ)有べし、然(しか)れ共(とも)、かくの如(ごと)きは、吉痘(よきとう)にし

て、こと/″\く 膿(うみ)となりて、肌表(はだひやう)に出(いで)あくれば、内(うち)すゞ

しくなるゆへに、食事(しよくじ)進(すゝ)み、自(おのづ)からうつくしくかせて

癒(いゆ)る也、凶(あしき)痘(いも)ハ まづ 咽(のど)まで痘(いも)出(いで)て、食事(しょくじ)乳味(にうみ)も

通(とう)りがたく、毒気(どくき)、肺(はい)の臓(ぞう)の気道(きみち)に迫りて、表(ひやう)へ出(いで)

がたくかわきつよく、声(こゑ)かれて出(いて)ず、口(くち)いき一面(いちめん)にかた

まりと成(なり)、もだへ苦(くる)しみ、何程(なにほど)の妙方(めいほう)にても叶(かな)ひ難(がた)

し、毒気(どくき)、膿(うみ)となり、表(ひやう)へ顕(あらハ)れず、急(きう)にとぢて 変(へん)

をなす也、此関(せき)ハ 十日、十一日にあるべし、痘(いも)の生死(せうじ)ハ

膿(うみ)の有無(うむ)に決定(けつてい)をなすに、すでにやまを上(あげ)るものに

 

吉痘(きちとう  12丁表)

  (よきとう  13丁表)

  吉痘は「きちとう」とも「よきとう」とも読ませている。

妙方(めいほう) 国語大辞典

〘名〙 すぐれた処方。※和州旧跡幽考(1681)五「豊心丹、俗に西大寺といふ。此寺伝来の妙方なり」 〔史記‐倉公伝〕

 




国立国会図書館所蔵

13丁裏

内托(ないたく)の薬(くすり)を用(もち)ひ、すごすべからす、薬気(くすりけ)なく、自(みづ)から

うせるを待(まち)てよし、但(たゞ)し、貫膿(くわんのう)の時(とき)ハ、皆(みな)起腫(おくれはれ)により

痛(いたむ)ものなれども、厳(きび)しくいたんで堪(たへ)がたき程(ほど)ならば、悪(あし)し

或(あるい)ハ此時(このとき)に面目(かほ め)のはれ早(はや)く引(ひけ)バ、あざ瘡(がさ)落(おち)て後迄(のちまで)

も地腫(ぢばれ)有(あつ)て段ゞ(だん/″\)に引(ひく)をよしとす、又 痘大(とうだい)がいに

山(やま)をあげて、俄(にわか)にふるひ出(いで)、はぎりつよく、かわきあり

て、腹下(はらくだ)り、甚(はなは)だあやうきもの有(あり)、此時(このとき)は五臓(ごぞう)の内(うち)、身(しん)

躰(たい)の真気(しんき) 皆(みな)表(ひゃう)にあらわれて、内証(ないしやう)にわかに虚(きよ)して

かようの変(へん)を顕(あらわ)す也、必(かならす)驚(おどろ)く事(こと)なれ、只(たゞ)の看病(かんびやう)

人(にん)見(み)とゞけて、良医(いしや)にまかせて、人参(にんじん)など用て

 

内托(ないたく)

 補益気血の薬物を使用し、正気を扶助することにより毒を外出し内陥を防止する治法。
 化膿症中期で潰破しないときは托毒透膿法を用い、解毒薬に補益薬を補助的に配合する。
 気血不足が顕著で、化膿が慢性に反復したり、潰破後も瘡口が収斂しなかったり滲出が続くときは補托法を用い、補血薬を主体にする。
 気血の補益には主として黄耆・当帰を、解毒には金銀花・連翹・蒲公英・皀角刺などを用いる

貫膿(くわんのう)潅膿

 〘名〙 疱瘡(ほうそう)などの症状のさかりを過ぎること。やまあげ。〔和漢三才図会(1712)〕

 

 

 

 

 

 

 


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