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『疱瘡心得草』12 11丁裏 12丁表 志水軒朱蘭 述

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    『疱瘡心得草』12 11丁裏 12丁表 志水軒朱蘭 述 



 『疱瘡心得草』 志水軒朱蘭 述
 一冊
 出版 蓍屋善助
 寛政10 [1798]
 国立国会図書館デジタルコレクション 
 請求番号 852-26

 
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 『疱瘡心得草』

 

 

 


国立国会図書館所蔵
11丁裏

物有(あり)、出(で)かけより、やけとのふくれあるが如(ごと)く にして、うみ

もたぬをいふ、是(これ)悪症(あくしやう)也、又 蚕種疱(さんしゆほう)といふ有(あり)、是(これ)蚕(かいこ)

の種(たね)の如(ごと)きものハ、此時頭面(かしら かほ)大(おゝひ)にはれて、目をとぢて、又

早(はや)くまどをあけて変(へん)を顕(あらわ)す、一身中(しんちう)皆(みな)潅漿(みづもり)とい

へども、頭面(かしら かほ)潅漿(みづもり)せざるハ、大切(たいせつ)なり、又 吐逆(とぎゃく)して止(やま)ず、大(だい)

便(べん)下(くだ)理、小便(せうべん)に血(ち)を下(くだ)すもの、甚(はなはだ)悪(あし)き也、或(あるい)ハ 唇(くちびる)ふとく

腫(はれ)て破(やぶ)れ、血出(ち いで)て、食事(しょくじ)進(すゝ)みがたく、喉(のんど)、痰(たん)強(つよ)く、涎(よだん)自(おのづ)づから

流(なが)出(いで)るハ、悪(あし)き也、又 吉痘(きちとう)にても、此時ハ少(すこ)しかゆみ

有(あり)、又 いらつきてさわりたるもの也、是が為(ため)に、袖長襦(袖、ながじゅ-)

袢(-ばん)を用意(ようゐ)するものなり、又 看病人(かんびやうにん)も昼夜(ちうや)打(うち)つゞ

 

やけとのふくれあるが如(ごと)く

 (みずぶくれができて)やけどのふくれあるが如(ごと)く

涎(よだん)

 余談




国立国会図書館所蔵

10丁裏

きて草臥(くたびれる)故、寝(ねむ)り つよく出るもの也、あら手(て)の人(ひと)をそへ


て、必(かなら)ずねむるべからず、膿水(うみ)にさへなれば、少しかき破(破れ)れても


大成(おゝいなる)禍(わざわ)ひはなし、随分(ずいぶん)油断(ゆだん)すべからず

 

 

10丁裏

  貫膿(やまあげ・くわんのう)三日の内(うち)の吉凶(よしあし)の心得の事


此時(このとき)やまあげと俗(ぞく)に云ふ、是迄(これまで)の順(じゆん)の通(とお)り(に)さへゆけバ、


宜(よろ)し、上(かみ)半分(はんぶん)の手あて よろしけれバ、自(みづか)ら山(やま)十分(ぢうぶん)に


上(あが)る也、痘(いも)の豆(まめ)に似たるハ、山上(やまあげ)の時(とき)にて知るべし、痘(とう)出(いで)て


ゟ七日に至(いた)りて其形(そのかたち)まるあかく満ち(みち)/\て光(ひか)り潤(うるお)ひ


有(あり)て緑水(りよくすい・あをみづ)の如(ごと)く、段/″\(だん/″\)に其色(そのいろ)蝋(らう)のごとくにて、立上(たちあが)

り見(み)ゆるを 貫膿(くわんのう)と云(い)ふ、此時(とき)出(で)ものばら/\として

 

やまあげ

 夏季、平地での猛暑を避けるため、標高500〜1000mの山間部へ移動させること。標高が100m高くなるごとに、0気温が、五度下がるといわれている。高上げ

 

 

 

 

 

 


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