十日ほど前のこと。
京の師走の風情ともいってよいであろう、南座の顔見世、夜の部に行く。
会場まで少し時間があったので、今年は花見小路をぶらりと歩いてみた。
いつものように、四条通りや河原町通りや花見小路通りでは、顔見世のポスターを貼ったお店街多い。
上の写真二枚は、花見小路のもの。
花見小路はこのブログでもなんども取り上げているので、今回は舞妓さんや芸妓さんの踊りのお稽古をされているお家の写真を撮らせていただいた。
花見小路を歩いていると髪を束ね、あっさりと化粧した、ベイジュ(色)の着物に、ぼかしの上等な紅葉柄の加賀友禅、手には風呂敷包みを持った女性が小足早に歩かれていた。
私がにこりと笑うと、彼女は上品に微笑んでおられた。
お稽古か何かに向かわれる、少し慣れていらっしゃる舞妓さんであった。
それにしても、師走の舞妓さんの小走りは可愛らしいものである。
まして素顔にちかいともなると、京都に帰ってきたという感じがしてやまない。
懐かしい風情である。
井原西鶴 『世間胸算用(大晦日は一日千金)』の第三巻 一には、京の顔見世の風情が書かれていた^^