先日、撮り貯めていた『座頭 THE LAST』をようやく見ることができた。
座頭市は勝新太郎のイメージが強う年代の家族と見たが、二人とも、以前の座頭市とは違った観点からとらwられている本作品に満足した。
何より、香取慎吾といういわば一アイドルだった彼が、座頭市という強烈なイメージの座頭市に抜擢され、また正面から受け答えたという姿勢に感動をした。
これは嫌味ではなく、正直、好意を持った言葉である。
ただいま、ネットを検索すると、案の定評価は低かったが、私たち夫婦は新鮮んあ捉え方の座頭市に好感を持った。
ただもっったいないのは、あの時代の座頭や市といった意味合いは果たして理解されて演じられているかという観点から見れば、多少首を傾げたくなる場面もあったのだが。
全体を通して爽やかな映画に仕上がっていた。
十ほど年上の兄は、勝新の座頭市のモノマネを私に見せてくれるといった場に身を置くことが何度かあった。
まだ幼かった私は、
「果たしてこれは、かっこいいのか悪いのか?。味があるのか、下品なのか?」
といったこましゃくれた幼稚園、今日学生時代を送る。
幼い子の私は、戦争物や暴力・ヤクザ物といった映画やドラマが大の苦手で、全く見ようとしなかった。なので、勝新太郎の座頭市もほとんど見たことがないので、有名な台詞ぐらいしか知らない。
そのせいか、香取慎吾の座頭市も、あまり違和感はなかったと言えそうだ。
この映画では日本的映像み、色彩美を味わうことができた。
特に賠償美智子が雪の中を追いかけてきて、市に雪合羽を羽織らせる場面。
雪の中の影絵絵のような設定のモノクロームなコントラストだが、色彩色豊かで美しかった。
この監督はモノクロ(雪)の使い方が上手なようで、晩秋の紅葉から雪景色になり、少し雪が溶けて屋根が見える。
そんな三場が一体となり流れるような時間を作ったシーンがあったが、この色使いもうまかった。
モノクロにトーンを抑えたように見えるその色彩は、色彩が豊かで心地が良かった。
京都でいうコートな表現であった、(ただし京都ではコートは、衣服の褒め言葉であるのだが。
香取慎吾を取り巻く役者軍が素晴らしく、仲代達矢さんと原田芳雄さんの台詞は真似て楽しんでいた。
お二方の台詞に言い回しは舞台を見ているようで、とても楽しかった。
この映画では、仲代達矢さんの似顔絵が壁に描かれた場面があった。
一軒にして、安倍晋三さんと判別できるその絵に驚きを感じたが、すぐに仲代達矢さんの顔が絵と交互に映り、これは仲代達矢さんですよと念押しをされているように感じた。
この映画が創られたのは、 2010年
2010年前後といえば、
2010年
3月10日 - 平城京遷都1300周年。これを記念し、平城遷都1300年記念事業を展開。
1月19日 - 日米安全保障条約の署名50周年。
2月17日 - 中部国際空港開港5周年。
4月25日 - JR福知山線脱線事故から5年。
5月14日 - 日英博覧会開催100周年
8月12日 - 日本航空123便墜落事故から25年。
8月29日 - 大日本帝国による韓国併合100周年。
9月10日 - 日本におけるカラーテレビ放送50周年
2008年頃からの日本の動きを見て見たが、よくわからなかった。
安倍晋三さんに見えたのはうがった見方であり、意図的な狙いはなかったのかもしれないと反省した。
全体を通して満足のできるのではないかと思える作品であった。
座頭市 THE LAST
Zatoichi The Last
監督 阪本順治
脚本 山岸きくみ
製作 亀山千広
出演者
香取慎吾
石原さとみ
反町隆史
倍賞千恵子
加藤清史郎
工藤夕貴
仲代達矢
岩城滉一
原田芳雄
音楽 プロジェクト和豪
撮影 笠松則通
編集 蛭田智子
製作会社 セディックインターナショナル
配給 東宝
公開 日本の旗 2010年5月29日
上映時間 132分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語