『役者手鑑 全』12 蒲公英ハしはし旅僧のしとねかな 杉暁 安永八年巳亥正月 花吸庵蔵 花吸庵編 磯田湖竜斎画
黒渡 高砂や 松葉に枝を 梅の花
を受けて
蒲公英ハしはし旅僧のしとねかな 杉暁
連名句順 坂田半五郎 杉暁
『役者手鑑 全』11 黒渡 高砂や 松葉に枝を 梅の花 安永八年巳亥正月 花吸庵蔵 花吸庵編 磯田湖竜斎画<
黒渡 高砂や 松葉に枝を 梅の花
を受けて
蒲公英ハしはし旅僧のしとねかな 杉暁
松の次は、杉
杉暁詠むは、蒲公英の句也。
しとね = 褥 (三省堂 大辞林 第三版)
敷物。座布団・敷き布団の類。
蒲公英ハしはし旅僧のしとねかな 杉暁
= たんぽぽは、しばし 旅僧のしとね(仮の敷物、布団)かな
たんぽぽはひとときのしとねと読み、「草枕」を思い起こす。
草枕は旅の枕詞であり、草枕といえば、やはり先日にも書いた『伊勢物語』の「東下りの段」
男は妻や故郷を思い浮かべつつ、乾飯がふやけるほどに涙を流し、湯露に濡れたすすきなぞ結ぶかあるいは単純に草の上に身を傾け仮寝する姿を思う浮かべてしまう。
仮寝のひとときに身を委ねたススキや草は、夜露に濡れ、一層私のような多くの読み手の涙を誘う。
草枕といえば、漱石の『草枕』はあまりにも有名だが、草枕とおうごが使われている和歌を一首、記録しておきたい。
草枕 むすびさだめんかた知らず ならはぬ野べの 夢の通ひ路 雅経
水無瀬の恋十五首の歌合に
新古今和歌集 巻第十四 恋歌四 1315
を受けて
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『役者手鑑 全』1 表紙・表紙裏 安永八年巳亥正月 花吸庵蔵 花吸庵編 磯田湖竜斎画
https://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/8004913231b9f7916a7e5586e667ca07『役者手鑑 全』2 最終頁 安永八年巳亥正月 花吸庵蔵 花吸庵編 磯田湖竜斎画
https://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/3781ea7dbbe73aa9b0e6a110bf6c85ea『役者手鑑 全』3 序文一オ・ウ 八年巳亥正月 花吸庵蔵 花吸庵編 磯田湖竜斎画
『役者手鑑 全』4 連名句順 二オ 安永八年巳亥正月 花吸庵蔵 花吸庵編 磯田湖竜斎画
『役者手鑑 全』5 立役者之名家 安永八年巳亥正月 花吸庵蔵 花吸庵編 磯田湖竜斎画
『役者手鑑 全』6 三升 万歳の 来つつなれにし 鶴太夫 三オ 安永八年巳亥正月 花吸庵蔵 花吸庵編 磯田湖竜斎画
『役者手鑑 全』7 「連名句順」の「吾妻富士仰蓮花」(右下)と「三升」から始まる「万歳の 来つつなれにし 鶴太夫」を再考したい。
『役者手鑑 全』8 鶴つがひ 長閑にあゆむ 田面かな 市江 東京書舗 本石町十軒店 伏見屋善蔵 稀書複製版 米山堂
『役者手鑑 全』9 夕くれを おしむ乳母有り いかのほり 路志う 東京書舗 本石町十軒店 伏見屋善蔵 稀書複製版 米山堂
役者手鑑 全』9 『役者手鑑 全』10 風巾の尾の風の長きためしも君の代や/青柳の強さや風の吹き次第/目辺りに埃もたたず梅の花(3句)
『役者手鑑 全』11 里渡 高砂や 松葉に枝を 梅の花 安永八年巳亥正月 花吸庵蔵 花吸庵編 磯田湖竜斎画
『役者手鑑 全』12 蒲公英ハしはし旅僧のしとねかな 杉暁 安永八年巳亥正月 花吸庵蔵 花吸庵編 磯田湖竜斎画
東京大学所蔵 役者手鑑 / 花吸菴編 全22頁 安永八年巳亥正月 花吸庵蔵 花吸庵編 磯田湖竜斎画
『役者手鑑 全』 表紙裏
安永八年巳亥正月 花吸庵蔵 花吸庵編 磯田湖竜斎画 東京書舗 本石町十軒店 伏見屋善蔵 最終頁
序文 一オ
序文 一ウ
連名句順 二オ
立役之名家 市川團十郎 三升
『役者手鑑 全』5 三升 万歳の 来つつなれにし 鶴太夫
『役者手鑑 全』8 鶴つがひ 長閑にあゆむ 田面(たのも)かな 市江
『役者手鑑 全』9 夕くれを おしむ乳母(うば)有り いかのほり 路志う
『役者手鑑 全』9 風巾の尾の 風の長きためしも 君の代や きをん
『役者手鑑 全』9 青柳の つよさや風の 吹き次第 濱瀬
『役者手鑑 全』10 目あたりに ほこりもたたす 梅の花 三朝
『役者手鑑 全』11 里渡 高砂や 松葉に枝を 梅の花
『役者手鑑 全』12 蒲公英ハしはし旅僧のしとねかな 杉暁