『風流 妖化役者附』上 一ウ 二オ(ふうりゅう ばけものやくしゃづけ) 鱗形屋孫兵衛, [江戸 明和6(1769)] 2
『風流 妖化役者附』上 一ウ
まづ一ばんにこたろばけて高三勺あかりたいと
やぐらときたいなんときついおもいつきであろう
が□やぐらゟ手を出しはやう入こま申(こまや?)やい
と扇にてふりて/\対本ミこし入道
○一ばんめのみたて
おらが
ひいきのおと
わやがつらね
があるばよふ
ミたい。なん
でも成田や
がでないけ
つとやく落ち
めに
まづのミこまね
ひいき
東かわの
さじき
ハかた
庁
かわつゝ
きで
四郎
がい んき
よがおやぶん
をふ
るま
いだ
なんと
すざ
ま
で
あろう
かや
『風流 妖化役者附』上 二オ
此しばいとりたて
のさしたばけ物なかま二
うられなくたまつても
いられましとお
もいしにせいろう
ちミてふきやかし
ける
○せい
ろう
ばけ
ててん
を
出し
さあ
/\
わかい
しゆ
わつさりとうちませう
「よい/\こつちやよゝよい/\
いわふて三どようよいのよい
してさ 「川なら。右なまず
○ねこまた馬の頭(かしら)○あほざき
○三足(そく)の小にとり、これらハまい
ばん禾や 口につめかけ
て
評判するてやい
なりこまからはま
むらやへいつて手を
うち
ませう
され/\
こい/\
おらが
ひいきのおと
わやがつらね
があるばよふ
ミたい。なん
でも成田や
がでないけ
つとやく落ち
=おいがひいきの音羽屋(菊五郎、菊之助、この場合、菊五郎)が連ね(『白浪五人男』花道、そして正面)が
ある場、よう(しっかりと)見たい。
なんでも成田屋(團十郎)がでない(ので)けつと(きっと)やく落ち(役が回ってきた)
庁 =庁
廳(庁の異体字)、廰(庁の異体字) (新漢語林 EX-word)
廰(庁の俗字)
1 役所
2 家
3 部屋、客間、おもて座敷「客庁」
さじきハかた庁かわつゝきで
四郎がいんきよがおやぶんを
ふるまいだなんとすざまであろうかや
=桟敷は片庁(片部屋)続きで
四郎が隠居が親分を
振る舞いだなんと、素様であろうかや。
よい/\こつちやよゝよい/\
いわふて三どようよいのよい
= 大阪打ちに似ている
上方歌舞伎の中で、度々打たれることがある。
ばん禾や =ばんく屋 (新漢語林 EX-word)
禾 =カ、クァ ワ
1 稲
2 穀物、穀類の総称
3 苗
4 藁
5 穀物の穂が出たもの
(読み間違いはお許しください。)
『風流 妖化役者附』上 一ウ(ふうりゅう ばけものやくしゃづけ) 鱗形屋孫兵衛, [江戸 明和6(1769)] 1
『風流 妖化役者附』上 一ウ 二オ(ふうりゅう ばけものやくしゃづけ) 鱗形屋孫兵衛, [江戸 明和6(1769)] 2
『風流 妖化役者附. 上』(ふうりゅう ばけものやくしゃづけ)
鱗形屋孫兵衛, [江戸 明和6(1769)]
19cm
黒本
書名は題簽による 版心書名:役しや 角書付書名:風流妖化役者附
墨書入あり
和装
黒本(くろほん、くろぼん)とは
江戸時代に書かれた挿絵が描かれた本、草双紙の一種。
子供向けの赤い表紙の赤本が発展して、青少年向きの黒い表紙の黒本になった。
題材は、浄瑠璃、歌舞伎、英雄伝、戦記が多い。草双紙 黒本
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