『近松全集第七巻』「冥土の飛脚」 2 オ 近松門左衛門作
かね能自由さハ、一歩小判やしろかね尓つばさ能
有がごとく也、町通り能状取立帰つてそれ/\と。
とめ帳つくり所へたそ頼もふ忠兵宿尓ゐやる
(ママ)
かと。あん内するハ出入能屋やしき能さむらい。手代共ゐん
ぎん尓。ヤア是ハ甚内さま。忠兵衛ハるすなればお下
し物能御用ならば。私尓仰聞られなせ。お茶もて
おじや、と、あいしらう。いや/\下り能用はなし。ゑど
若だんなより御状が来た。是おきゝやれとおしひらき。
(2 オ)
『近松全集第七巻』「冥土の飛脚」P.278
「おじや」=「おじゃ」(「おじゃれ」「こっちへ来なさい」、くらいの意味。)
本文に「忠兵」(ママ)、「忠兵衛」の二表記あり。
(1オ)(1ウ)(2 オ)= (一丁表)(一丁裏)(二丁表)…と言う意味です。
本文に「。」が付いている場合は「。」 付いて灰場合は「、」突表記しています。
(「尓」「能」などのように、副詞部分はそのまま元字で書いています)
平常心是道
ちょっとした隙間時間に、気分転換として好きな演目を書き写すのは、誠に楽しい。
心中物を読んでいるのだが、心理状態としては書き写すと言う行為が写経に近いのであろうか?>
誠、心が落ち着くのは、喜ばしい。
『近松全集第七巻』「冥土の飛脚」 1 オ 近松門左衛門作
『近松全集第七巻』「冥土の飛脚」 1 ウ 近松門左衛門作
『近松全集第七巻』「冥土の飛脚」 2オ 近松門左衛門作