『江戸時代の古文書を読む 元禄時代』「元禄時代の江戸みやげ」 『新版 古郷帰の江戸噺(こきょうがえりのえどばなし)』出典・仰出之留(国立公文書館内閣文庫所蔵) 綱吉の頃
『江戸時代の古文書を読む 元禄時代』より第4章「元禄時代の江戸みやげ」を読む。
写真は徳川綱吉が五代目将軍についてから七年目の貞亭四年(1687年)6月に、江戸の山下彦兵衛・簾翠屋(れんすいや)仁兵衛・鍵屋平右衛門という三名の版元によって出版された『新版 古郷帰の江戸噺(こきょうがえりのえどばなし)』の一部である。
『新版 古郷帰の江戸噺』を読んでいて、故中村士官様と故中村富十郎様の絶妙な芝居が展開された、歌舞伎の『江戸みやげ』を思い浮かべた。
この芝居では、反物(着物)を売る歩く二人の女が江戸で宿を取る。
たまたま芝居がかかっており、女(富十郎)は記念(みやげ)に芝居を一つ見ようと言う。
一方財布の紐の硬い女(芝翫)はもったいないから見ないと言い張る。
そこへ美しい役者登場。 財布の紐の硬い女(芝翫)は一目惚れしてしまう。
財布の紐の硬い女(芝翫)はは素直に芝居を見て惚れ込み、役者を呼ぶ。女は役者のぞっこんである。
役者は借金(?)のためにっちもさっちも行かなくなったことを苦に、女房(?)と駆け落ちしようとする。
それを知った財布の紐の硬い女(芝翫)は反物の行商で稼いだ金をすっかりと役者にあげてしまう。
驚いたもう一人の女(富十郎)。止めて求めても聞きやしない。
財布の紐の硬い女(芝翫)はすっからかんの一文無し。驚いたもう女(富十郎)に向かって、芝翫が一言。
「お江戸 みやげぇだぁよぉ。」
(以上、芝居『江戸みやげ』の要約)
江戸時代にこのように多くの江戸の旅の手引書が出ていた事を考えると、時代を想定してのこの芝居が展開されるのも理解ができる。
七代目 芝翫様と五代目 富十郎様の軽快で面白い歌舞伎『江戸みやげ』の台詞の言い回しや立ち位置が目に浮かぶ。
もう一度劇場でお二人を見たいなぁと思いながら、『江戸時代の古文書を読む 元禄時代』の最終章である「元禄時代の江戸みやげ」を読み進めていた。
『江戸時代の古文書を読む 元禄時代』元禄
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