歌舞伎「絵本牛若丸」一生懸命で可愛らしい尾上丑之助さんを菊五郎さんと吉右衛門さんが笑みつつ見守っておられた舞台が素晴らしい!
『海の見える杜美術館 舞の本を読む』を思い浮かべた。
テレビで、歌舞伎「絵本牛若丸」をみる。
夜の11時から菊五郎さんと吉右衛門さんのお孫さんであり、菊之助さんのご子息である尾上丑之助さん(5歳)の様子が放映されていたようであるが残念なことに知らなかった。
たまたまテレビをつけると歌舞伎「絵本牛若丸」が始まる前で、これは面白そうだと思い夫を呼んで二人で舞台を見た。
舞台は短いものであったが、一生懸命で可愛らしい尾上丑之助さんが、形を作ろうとされたり見得を切られたり、六法を振って好感を持った。
菊之助さんのような素晴らしくお上手な役者さんのお子さんなら、将来も楽しみ。
歌舞伎もこのようにして素晴らしい役者さんが育っていかれるのだなと感じた。
今回のお舞台は歌舞伎座の團菊祭で、歌舞伎「絵本牛若丸」も素晴らしい役者さんの目白押しであった。
尾上丑之助さんが一生懸命演じられていらっしゃると、菊五郎さんと吉右衛門さんが大変微笑ましく笑みを浮かべておられた。
懸命の姿を祝福するかのように、時蔵さんをはじめ他の役者さんたちもこぼれるような笑みを浮かべ。見守っておられた。
可愛らしい美しい丑之助さんを多少心配そうな父の目であり役者の目で、菊之助さんが見守っておられた。
全てが気持ちの良い舞台でありお披露目であったと感じる。
見終えた後、気持ちの良い味わいを感じた歌舞伎のお舞台であった。
一度、團菊祭には行って見たいと痛感した。
歌舞伎「絵本牛若丸」を見て絵巻物やなら絵本を思い浮かべた。
本日読了した『海の見える杜美術館 舞の本を読む』の中の「常葉」(舞台とは直接筋書きは違う)を思い浮かべ、舞台を見終え手から夫に話していた。
『海の見える杜美術館 舞の本を読む』の中には、牛若丸や弁慶の出てくる話が多く載せられている。
「常葉」では鞍馬の阿闍梨が出てくるので、おそらくこの場面を思い浮かべたのであろうと感じる。
歌舞伎「絵本牛若丸」では阿闍梨役は左團次さんが演じられていた。
それにしても、菊之助さんは美しく、超うまい役者さんになられたと感心する。
テレビとはいえ、素晴らしい舞台を見ることができたと、喜んでいる。
歌舞伎「絵本牛若丸」
脚本:村上元三
補綴:今井豊茂
振付:尾上菊之丞
出演
牛若丸:尾上丑之助
弁慶:尾上菊之助
鬼一法眼:中村吉右衛門
鬼次郎:尾上菊五郎
市川左團次、中村時蔵、中村雀右衛門、尾上松緑、市川海老蔵 ほか
以下のデーターは松竹株式会社 歌舞伎美人より ▼
親子二代、同じ『絵本牛若丸』で初舞台
「5月に尾上丑之助の名跡を七代目として襲名いたします。一所懸命頑張ります。どうぞ、よろしくお願いいたします」。大勢の取材陣を見ながら、しっかり挨拶をした和史。新たな元号になって最初の歌舞伎座の公演での初舞台、「初日から千穐楽まで賑々しくご来場していただけるように」と言いながら、菊五郎は頼もしい孫の姿に目を細めました。
「私の初舞台と同じ『絵本牛若丸』が和史によって、皆様のお力で、また上演できますこと、このようにうれしいことはございません」と、特別の感慨を述べたのは菊之助。昭和59(1984)年2月歌舞伎座、村上元三脚本・演出『絵本牛若丸』で六代目丑之助を名のり、祖父七世梅幸の常盤御前、父菊五郎の鬼三太ほか、そうそうたる顔ぶれを相手に牛若丸を勤めました。「偉大な先輩方が出てくださいました。もし、自分の倅が初舞台を踏むのであれば、ぜひ私と同じ牛若丸をという強い思いがありました」という菊之助の願いが、ついにかなうことになります。
将来は弁天小僧で大立廻りを和史の初舞台に向けて現在、台本の手直しがされていますが、菊之助はすでに「自分が使っていた台本で、せりふの稽古を始めており、日本舞踊も稽古し、形が決められるように今、特訓しているところです。舞台のための稽古になると、こちらがどんなに厳しくしてもへこたれません。そういうところから、歌舞伎が好きなんじゃないかと思います」。稽古に励んでいるという和史は、「お父さんのような歌舞伎役者になりたいです」と、力強く宣言して会場を沸かせました。
これから和史がやってみたい役は、やはり『白浪五人男』の「弁天小僧」。菊五郎や菊之助の舞台のビデオもよく見ているといい、「激しい立廻りも好きで、弁天小僧の大屋根の立廻りですとか、『マハーバーラタ戦記』の戦いのシーンとか、しょっちゅう真似しています」。家での芝居ごっこでは菊之助を相手に立廻りをしているそうで、「いつも斬られています」と言いながらもうれしそうな表情に、父の顔がのぞきました。
新しい時代に歌舞伎の世界へ踏み出す丑之助
「今のまま、まっすぐ育ってくれれば、まずよい」と、和史に目をやった菊五郎。「教えてくださいという後輩に、歌舞伎界への恩返しと思って私が知っている限りのことは教えています。それが次の世代につながってくれればありがたい。これがあるから歌舞伎は連綿と続いてきました。歌舞伎に対する感謝、これは誰にも忘れてほしくないと思っております」。和史が新たに踏み出す歌舞伎界の将来に向け、菊五郎が願いを込めました。
菊之助も、「身近に父、岳父(吉右衛門)。どんどん二人の芝居を見て育ってほしい。そして古典の面白さ、奥深さを追求していってほしい」と、和史への思いを語りました。初舞台には菊之助の御厩鬼三太に、鬼一法眼の吉右衛門、吉岡鬼次郎の菊五郎と、和史の二人の祖父もそろい、豪華な出演者たちが新たな歌舞伎俳優の門出を祝います。
源氏の再興を目指して修行する牛若丸は、せりふも多く、立廻りもあります。しかし、歌舞伎座『勢獅子音羽花籠』で寺嶋和史として初お目見得をしてから3年、『髪結新三』の丁稚長松、『夏祭浪花鑑』の団七伜市松を勤め、この1月も国立劇場『姫路城音菊礎石』に出演、舞台を重ねるごとに大きな成長を見せてきました。そして、今度は七代目尾上丑之助として、5歳5カ月で5月の歌舞伎座に登場します。丑之助初舞台の『絵本牛若丸』は、歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」での上演です。