『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート』(フジテレビ)
(最終回 大詰め部分)無意識の悪意ほど厄介なものはない。
なにげにTVをつけたら、『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート』の最終回の後半部分であった。
私はドラマをあまり見ないので『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート』も二、三度しか見たことがない。
ほとんど、見てないので、ここで偉そうに記入することが少々ためらいがあるのだが、いじめにおける無意識のタチの悪さに声を上げずにはいられないので、記録することにした。
『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート』は医師免許を持つ男性が初恋(?)の女医をおって、放射能技師という立場で場を助けるのが軸。
このドラマには、他に医者と技師といった立場の違いなども克明に描かれているようだ。
ただし、結末がいただけない。
見てないのでわからないが、技師はおそらくどこかの海外で働くといった設定。
場をはじめ看護師や技能士の皆は男の門出を祝い惜しみ、
「帰っておいで。」
「お前のような人間はここしかないのだから。」
「近いうちにきっと。」
と心から労う。
ツーツケースを持って病院を後にする男。
初恋の別れの写真の韻を踏んだかのように、男の後ろ姿を妻ほのカメラに収める女医。
男がいなくなり、後釜の新入技師が入室。新入技師は45歳。
技師たちが、なんだかんだと、多少の辛口な言葉を発する。
新入技師が、
「僕はどこの席に座ればいいのでしょうか?ア!ここが空いている。」
と、旅立った男の空白になった席を座ろうとする。
その時の一言。
「あ!!この席はダメ!大切な人の席だから!!」
新入技師は渋々、皆が一列になって座る後ろの席を座る羽目になる。
「あ!!ここの席はダメ!大切な人の席だから!!」
という言葉はドラマの趣旨から考えると、一見微笑ましささえ感じられる言葉ではある。
だが、退職した男の席にスス破られることを拒む職場ぼ姿に、寂しい思いが生じる。
一方を立てて、一方の気持ちを考えない。
一人後ろの席に座り、今は犬旅たった男の席を空白にしていおると知った45歳の男の気持ちを考えると、微笑ましいドラマであると手放しで喜んでいられない。
無意識の悪意ほど厄介なものはない。
「あ!!ここの席はダメ!大切な人の席だから!!」と発した人間の心にも、悪意はなく、いじめているという存在意識はないのである。
こういったことはに日常茶飯事で、我々の身の回りでもしばしば垣間見られる。
ただ、今回はドラマであり多くの人がこの場面を見ている。こういった感覚が普通であるといった認識が広がること自体に問題があると考える。
この言動及び公に公開されるといったことに対して、問題だと製作者側も認識してはいないであろう。
こういった思いが日増しに大きくなってきたので、本日私は『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート』における無意識のいじめを記録することにした。