『こまつ座「芭蕉通夜舟」』
演出:鵜山仁
鵜山仁 うやま ひとし
慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業。
舞台芸術学院を経て文学座附属演劇研究所に入所(17期)/1982年、座員に昇格。
ウィット溢れる演出術で俳優の意外な一面を引き出す手腕と、言葉から着想される膨大なイメージをあらゆる表現・素材を使って劇空間に現出させる力に定評がある。
2004年、第11回読売演劇大賞の大賞・最優秀演出家賞を受賞。その後も休む間も無く傑作を生み出し続ける。2007年6月〜2010年8月、新国立劇場の第四代演劇芸術監督を務める。
主な代表作に『グリークス』(第25回紀伊國屋演劇賞団体賞)(文学座)、『コペンハーゲン』(新国立劇場/第9回読売演劇大賞優秀演出家賞)『父と暮せば』『円生と志ん生』(以上こまつ座)『ヘンリー六世』(新国立劇場)またオペラやミュージカルなどの演出も手懸ける。
出演:坂東三津五郎 坂東八大 櫻井章喜 林田一高 坂東三久太郎
作:井上ひさし
2012年
120分
カラー
ほぼ一人芝居なのに、めまぐるしい舞台転換で人々を魅了する井上ひさしの戯曲 歌舞伎界の名優、坂東三津五郎を迎え、鵜山仁が卓抜な演出の腕をふるう 俳聖・松尾芭蕉の生涯を、芭蕉一門主流の歌仙三十六句にちなんで綴る全三十六景の一代記 そのものの時めいていた過去と、 もう滅ぶしかない未来とを同時に匂わせるのです。 しかもそれをたったの十七文字でやってのけようとして、 わたしたちは骨身を削るのです。 日本の古典を洒落や滑稽さでもじる江戸談林俳諧の宗匠として名を馳せ、もてはやされた松尾桃青。 素人の連句の会に出向き指導をすれば出座料、できた連句に「秀逸」や「珍重」などと点をつければ点料が懐に転がり込む。正直に「稚拙」「愚劣」と点をつければ、ののしられ叩き出されて、恨みまでをかってしまう。 「こんな点者生活は、太鼓持ちとさほど違わないではないか。しかも談林派は、もじり尽くして行き詰り、果ては一日四千句と数を競う。そんなもの俳諧のたれ流し、下痢腹俳諧じゃないか」。 物静かな深川へ居を移し、談林俳諧に決別し、俳号を好きな木にちなんで「芭蕉」にかえた。そして、ひとりぼっちのわびしさ「わび」に目をつけ、そのわびしさに徹して句作を行い俳諧の革新をはかるのであった。 安住をのぞまず、托鉢僧のような乞食行脚、風に吹かれるカンナ屑・・・・。草が枕で、空行く雲が掛布団・・・・。 芭蕉を「『人はひとりで生き、ひとりで死んでゆくよりほかに道はない』ことを究めるために苦吟した詩人」と、井上ひさしは考えて書き下ろした、芭蕉一門主流の歌仙三十六句にちなんで綴る全三十六景の一代記です。 俳聖・松尾芭蕉役に、歌舞伎に止まらず、 意欲的に現代演劇に取り組んでいる 坂東三津五郎を迎え、鵜山仁が卓抜な演出の腕をふるいます。 ほぼ一人芝居『芭蕉通夜舟』 2012年8月17日(金)〜2012年9月2日(日)紀伊国屋サザンシアター
三津五郎さんの『こまつ座「芭蕉通夜舟」』を楽しむ。とても面白かった…
笑い続けていたが、とにかく筋書きが洒落ている。言葉の隅々まで感心する。
坂東三津五郎さんの演技。台詞も表情もキリも間もすごい☆
気のきいた原作と演出家&うまい役者さんの舞台なら、こんな風になるんだだと心が高鳴る。
『こまつ座「芭蕉通夜舟」』は舞台として、たいへん満足した。
『こまつ座「芭蕉通夜舟」』終了後 三津五郎さんはライブの良さを語られ、是非 舞台(劇場)でとおっしゃっていた。納得☆こんな舞台、見たいなぁ☆