右團次丈と右近(タケル)ちゃんの十月松竹座『雙生隅田川』がとても良かった。
もともと謡曲の『隅田川』は好きな演目のひとつなので、DVDで買い求め、毎日見つつ、バックミュージックとして聞いていたわたくしである。
歌舞伎の『雙生隅田川』にも期待をかけていた。
舞台の面白さは思いの外素晴らしく、二度とも静かなる波が押し寄せ、舞台の鑑賞中に大泣きに泣いた。
芝居中の義太夫の言葉にもある『山椒大夫』の載る説経節(東洋文庫)は以前に読んでいたので、歌舞伎の『雙生隅田川』は興味深い。
近松全集では浄瑠璃の『雙生隅田川』を読み進めたが、近松の字には浄瑠璃の癖がありすぎて、恥ずかしながら今の私の力ではどうに文字が読みにくい。
なので、岩波の新古典全集で『雙生隅田川』を読むことにした。
もともと凝り性の私である。
興味が出たら、やめられない。
歌舞伎の『雙生隅田川』に舞台の面白みを感じ、数日前に次の本を注文した。
角田川物語 [室町物語影印叢刊 71]
さらに図書館では、国会図書館ら早稲田大学出版部の仮名草子集を取り寄せていただけるという。
実物本を見てみると、早稲田大学出版部の仮名草子集は素晴らしい出来具合であった。
仮名草子集の中に含まれている『角田川物かたり』は芝居の『雙生隅田川』の元となった仮名草子である。
昨日は図書館にこもること数時間で、『角田川物かたり』の上が文字も絵も全て書き写した。
全て書き写したとはいえ、次が読みたい。
次が読みたいが、図書館は明日は休館日である。
読み出すと止まらない性格。加えて、文及び絵を書き写し続けて、右手も痛くなった。
この歳で利き手腱鞘炎なんてことになれば、シャレにならない。
なのでせっかく国会図書館からお取り寄せいただいたが、早稲田大学出版部の仮名草子集も購入することにした。
早稲田大学出版部の仮名草子集は全部で八編。他にも面白そうな仮名草子が載っていた。
しばらく遊べそうな一冊である。
ネット通信が広まり、出版社に問い合わせたり、書店に注文したり、古書店(古本屋)を駆けずり回る必要がなくなったのは大変ありがたい。
そして感謝は松竹株式会社にも及ぶ。
関西で内容的にも面白みを感じる歌舞伎『雙生隅田川』を取り上げてくださいましたこと。
また、出演されました全ての役者様たちが体当たりで舞台に挑んでくださいましたことで、さらに隅田川関係や芝居の元本を読みたくさせて頂いたことに感謝せざるおえません。
だから芝居は面白いと、今回の舞台を拝見させていただきつくづく感じました。
ご覧くださいまして、誠にありがとうございます。