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Channel: 乱鳥の書きなぐり
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なんとなく、(故)七代目芝翫丈について思う。

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  七代目芝翫丈

 

 七代目芝翫が亡くなられて、早七、八年が経つというのに、瞼を閉じれば未だ私の中で演じ、舞続けておられる。

 彼が出てこられると舞台の色彩は、品の良いオーレーリンの光を放たれていた。

 舞台は明るくなり、独特のイメージで演目を彩られる。

 

 江戸時代の芝翫のことだが、関西に来られるとなると、和歌山には立派な芝翫船が何槽も出たという。

 私はそれを、確か、大阪歴史博物館であったか或いは他の博物館か美術館であったかは定かではないが、浮世絵(役者絵)で見たことがある。

 浮世絵(役者絵)で見る限り、江戸時代の中村芝翫は、千両船、万両船役者であったらしい。

 和歌山といえば蜜柑船の紀伊国屋文左衛門が有名であるが、浮世絵ではそこまでは認められなかったので、蜜柑に関係するか否かは定かではない。

 

  七代目芝翫丈はリアル舞台でもかなり多く見る機会に恵まれたし、歌舞伎チャンネル(現在は無い)や衛星劇場で驚くばかりの回数を見たが、彼のオーラと演技の深さは計り知れぬものがあった。

 現在は迫力のある八代目芝翫(元中村橋之助さん)が名をついでいらっしゃるが、芸風は随分と違う。

 しかしながら彼の見得の切り方やお人柄の良さが舞台に滲み出ており、彼も好きな役者の一人である。

 彼がカッコのいい演目を演じられると、劇場中に黄色い悲鳴や感性は湧き上がる。

 

 最近、テレビ等で、どことなく七代目芝翫丈似の役者さんを見つけた。

 家族曰く、そんなわけがないでしょう、と。

 だが、私は思う。演技の細やかさ、見得のかっこよさ、品性が滲み出たお顔立ちと演技力。

 多少の受け口ですっと力を抜いて笑まれるその姿は、七代目芝翫丈の再来ではないかと。

 私は、演じ手の芝居や舞に芝翫の姿を求めて、ユーチューブに釘付けである。

 もう一つ言うならば、受け口は三白眼とともに、世界中を考えて偉人が多いとされている事でも有名である。

 

 齢を重ねても、阿呆は阿呆

 舞台が好きでよかった。

 書物が好きでよかった。

 何よりも、阿呆で良かったと歳を重ねて痛感する今日この頃である。

 


 拙ブログに最後までお付き合いくださいまして、心より感謝申し上げます。


 

 


 



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