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映画『黒蜥蜴』 1968年 監督:深作欣二 原作戯曲:三島由紀夫 丸山明宏(現:美輪明宏) 木村功 三島由紀夫

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(写真は娘のスペイン土産の蜥蜴と、夫のアメリカ土産のテントウ虫。いずれもマグネット)



 

 

     映画『黒蜥蜴』


 丸山明宏(現:美輪明宏)さんが黒蜥蜴を演じられた映画『黒蜥蜴』を見た。
 面白いと思われるのは次の三点

 *丸山明宏(現:美輪明宏)さんが何かにつけ黒蜥蜴(緑川夫人)役にぴったりな気がする。
 *丸山明宏(現:美輪明宏)さんに広がりがあり、上質の舞台を観ている気がする。
 *無様でありグロテスクな人間の剥製役に特別出演された前後の三島由紀夫さんの感情や生活を覗き見したい衝動に駆られる。
   
 この映画は観て良かったと思う。

 


松竹1968年版
映画『黒蜥蜴』 1968年(昭和43年)8月14日封切。カラー 1時間26分。
製作・配給:松竹。監督:深作欣二。原作戯曲:三島由紀夫。脚本:成沢昌茂、深作欣二。音楽:冨田勲。
キャスト
黒蜥蜴(緑川夫人):丸山明宏(現:美輪明宏)
明智小五郎:木村功
雨宮潤一:川津祐介
岩瀬早苗・桜山葉子(二役):松岡きっこ
岩瀬庄兵衛:宇佐美淳也
的場刑事:西村晃
ひな:小林トシ子
黒木:丹波哲郎
原田:小田草之助
富山:服部欽二
大川:佐藤京一
松吉:木村功
堺:加島潤
木津:舟越竜二
ショーダンサー:宝みつ子
日本青年の生人形:三島由紀夫:※特別出演


Black Lizard
著者 江戸川乱歩
1934年1月 - 12月
月刊誌『日の出』

『黒蜥蜴』(くろとかげ)は、江戸川乱歩の長編探偵小説。
 および、作中に登場する女性盗賊の俗称。小説は1934年(昭和9年)、月刊誌『日の出』1月号から12月号に連載された。
 宝石等「美しいもの」を狙う美貌の女賊・黒蜥蜴と名探偵・明智小五郎が対決するトリッキイでアクロバティックな冒険物語である。

 

 小説のあらすじ
 帝都東京の暗黒街の一角、クリスマス・イブのパーティーで、一座から崇められる黒衣の夫人がいた。求めに応じて全裸で「宝石踊り」を舞う美貌の彼女の左腕には、黒いトカゲの刺青があった。その晩、恋人と恋敵を殺して庇護を求めてきた青年、雨宮潤一を死亡偽装させ、「山川健一」の名を与えて忠実な部下に加えた彼女、「黒蜥蜴」は、Kホテルに滞在中の大阪の富豪岩瀬庄兵衛の令嬢、早苗を誘拐するために、有閑マダム「緑川夫人」の名で岩瀬老人に近づいた。だが岩瀬は相次ぐ警告文をもとに、素人探偵明智小五郎に依頼して、その身辺警護に当たらせていた。
 早苗の誘拐の可否について明智に賭けを挑んだ緑川夫人こと黒蜥蜴は、変装して山川となった潤一とともにまんまと早苗を浚ってみせたかに見えたが、明智の機智の前に一敗地にまみれ、かろうじて逃亡。明智と岩瀬は、大阪南部の岩瀬の自宅で早苗を匿うが、部屋の長椅子に仕込んだ黒蜥蜴の人間椅子のトリックで、早苗はついに誘拐されてしまう。

 黒蜥蜴は岩瀬老人に、大阪通天閣塔上でのダイヤ受け渡しを要求する
 黒蜥蜴は早苗とダイヤモンド「エジプトの星」の交換を岩瀬に要求。通天閣塔上でダイヤの受け渡しをもちかける。変装した明智は黒蜥蜴の裏をかいて賊を追跡、黒蜥蜴は自家用の蒸気船で東京まで逃亡を図る。船に乗り込んだ明智は黒蜥蜴との虚々実々の駆け引きの末、隠れていた長椅子もろとも海に投げ込まれてしまう。好敵手明智を失い、早苗と二人で激情にまかせ号泣する黒蜥蜴。
 東京湾の埋め立て地の廃倉庫の地下に黒蜥蜴のアジトはあった。誘拐した早苗に、誇らしげに宝石をはじめとする収集した美術品の陳列を披露する黒蜥蜴。さらに女賊は早苗に恐るべきコレクションを見せる。それは剥製化された全裸の人間の陳列、さらには檻の中に閉じ込められた全裸の美青年、人間を放り込む大水槽だった。そう、黒蜥蜴は、若く美しい男女を誘拐しては殺害し、剥製としてきたのだ。黒蜥蜴は早苗をその陳列に加えるつもりであると残忍に言い放つ。はたして早苗の運命は、そして名探偵明智小五郎は本当に死んでしまったのか…?

 

 江戸川乱歩の「明智もの」の一篇。
 本文で女賊の名は初出では「黒蜥蜴」だが、のちの出版で乱歩が「黒トカゲ」と改めている。
 作品の端々に乱歩が本分としている「エロ・グロ」の趣向がこらされ、また「自註自解」で「『黒蜥蜴』は戦前の私の多くの通俗連載長篇の一つで、私の小説では唯一の女賊ものである。美しい女 賊と明智小五郎との、恐ろしくトリッキイでアクロバティックな冒険物語だが、この二人、追うものと追われるものの、かたき同士が愛情を感じ合う。」と解説している。

本作執筆前の1932年(昭和7年)から1933年(昭和8年)にかけては、推理小説家江戸川乱歩にとってスランプの時期であり、創作の方向性に迷ってほぼ休筆状態にあった。
 執筆前年は『妖虫』を一本連載したものの、同時期に連載開始した『悪霊』は結局三回で中断してしまった。
 このスランプの大きな要因は、乱歩が本来目指していた「本格」推理ものが思ったより反響がなく、『一寸法師』や『蜘蛛男』といった「変格」もの、いわゆる通俗スリラーに大衆の支持が絶大に集まったことだった。
 この『黒蜥蜴』は大ヒットした『妖虫』に続き、乱歩が出版社の要望に応じて書いた変格もの、通俗スリラーであり、連載同年5月には同趣向の『人間豹』を連載開始している。
 乱歩にとっては本意ではなかった通俗スリラーの本作であるが、連載開始されると大反響となり、たちまち乱歩の代表作の一つとなった。作中では、「或る小説家の作品」として乱歩自身の代表作である『人間椅子』の言及があり、実際に椅子を使ったトリックによる誘拐劇が採り入れられている。

 

登場人物
黒蜥蜴
前歴、本名その他一切不明の美貌の女盗賊。左の腕に黒いトカゲの刺青があり、「黒蜥蜴」と通称されている。夜の東京の暗黒街の華であり、10年にわたって「美しいもの」、特に宝石を蒐集してきた盗賊団のボスである。部下が考案した人間剥製化による、さまざまな人種の若い男女の剥製試作品を「美しいもの」のコレクションに加えている。変装の名人で、大胆不敵かつ手段を選ばず、一度狙いを定めた獲物は逃がさない。自家用船を持ち、東京T埋め立て地の廃倉庫の地下に収集美術品の展示館を兼ねたアジトを構えている。
岩瀬庄兵衛
在阪の富豪で宝石商を営む。所蔵する大型ダイヤモンドの逸品「エジプトの星」と、愛娘・早苗を黒蜥蜴に狙われている。
岩瀬早苗
庄兵衛の令嬢。秀でた美貌ゆえ、「エジプトの星」共々黒蜥蜴の標的にされ、人間剥製候補とされてしまう。
雨宮潤一
恋人と恋敵を殺害した青年。「山下健作」と名を変え、黒蜥蜴に部下として匿われている。
松公
黒蜥蜴の所有する蒸気船の火夫(ボイラーマン)。
桜山葉子
大阪に住む天涯孤独の若い女性。失業して自殺しようと考えていたが、謎の老人からある仕事を持ちかけられ、これをひき受けるのだが…
香川青年
剥製候補として、黒蜥蜴の虜囚となっている美青年。
K子
早苗が来る少し前まで人間檻の中に全裸で閉じ込められていた少女。現在は人間剥製として陳列されている。
明智小五郎
幾多の難事件を解決してきた日本を代表する素人探偵。岩瀬老人の依頼を受け、身辺警護についている。本作では小林少年は登場せず、数人の部下を率いている。

 

戯曲版
黒蜥蜴
Black Lizard
著者 三島由紀夫
イラスト 蕗谷虹児
 


蕗谷 虹児(ふきや こうじ 蕗谷虹兒、1898年(明治31年)12月2日 - 1979年(昭和54年)5月6日)は画家。詩人。
1898年(明治31年)新潟県新発田町(現新発田市)に生まれる。本名は一男。母親は新発田町の湯屋の看板娘で京風の美人と伝えられる。新聞記者と駆け落ちし蕗谷虹児を産むが、貧困の末、虹児が12歳の時に27歳で死去。母への追慕の情が、後の作風に影響を与えたと言われる。
母親の死により家族は離散。新潟市の印刷会社に丁稚奉公、絵の勉強をしながら夜学に通う。1912年(大正元年)貧しいながらも恵まれた絵の才能が新潟市長の目にとまり、日本画家の尾竹竹坡(おたけちくは)の弟子になるよう勧められ、14歳で上京(この尾竹竹坡の姪が『青鞜』の尾竹紅吉である)。内弟子として竹坡のもとで日本画を約5年学ぶが、父親の仕事の関係で樺太へ渡る事になり、それを機に放浪画家の生活を送る。
1919年(大正8年)竹坡門下の兄弟子の戸田海笛を頼って上京。戸田海笛の紹介で日米図案社に入社、図案家としてデザインの修行をする。1920年(大正9年)竹久夢二を訪ねる。彼に雑誌『少女画報』主筆の水谷まさるを紹介され、「蕗谷紅児」の筆名により同誌へ挿絵掲載のデビューを果たす(翌1921年に虹児に改名)。これをきっかけに、翌年朝日新聞に連載の吉屋信子の長編小説『海の極みまで』の挿絵に大抜擢され、全国的に名を知られるようになる。『少女画報』『令女界』『少女倶楽部』などの雑誌の表紙絵や挿絵が大評判となるや時代の寵児となり、竹久夢二と並び称されるようになった。
1924年(大正13年)2月、『令女界』に発表した詩画「花嫁人形」は、後に杉山長谷夫の作曲で童謡にもなり、蕗谷虹児の代表作となった。他にも9冊の詩画集を出版した。挿絵に感傷的な余韻を残し、見る者に描き手の想いを伝える絵を手掛けたいと、自らの絵を「抒情画」と名付けるようになった。
1925年(大正14年)挿絵画家としての生活に飽き足らず、渡仏しパリへ留学。苦学の末、「サロン・ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール」、「サロン・ドートンヌ」等への連続入選を果たし、またフランス画壇で活躍する日本人画家の藤田嗣治や東郷青児等と親交を深める。ようやく画家としての地歩を固めつつあったが、1929年(昭和4年)東京の留守宅の経済的破綻により急遽帰国。借金返済のため、心ならずも挿絵画家の生活に戻るが、パリ風のモダンな画風は一世を風靡した。彼を世に送り出した夢二の柔らかい画風とは対照的に、このころの彼の挿絵はシャープかつ洗練された線で描かれ、都会的な香りに満ちていた。
1935年(昭和10年)詩画集『花嫁人形』出版。しかし、やがて戦争に突入し戦時色が強くなると蕗谷虹児の絵は時勢に合わず、制作を休止。
終戦後は、復興された各誌に執筆を再開。1953年(昭和28年)の小学館の絵本や、1956年(昭和31年)の講談社の絵本など、20冊を越える絵本の挿絵で子供に親しまれた。また、1954年(昭和29年)には「東映動画スタジオ」の設立に参加し、アニメーション映画『夢見童子』の原画・構成を担当した。
1968年(昭和43年)三島由紀夫の若き日の小説作品『岬にての物語』(牧羊社、署名入り豪華限定本)に、彩色画が挿絵装丁に用いられ、三島も蕗谷へのオマージュを記した。1979年(昭和54年)に中伊豆温泉病院で急性心不全により没した。
「蕗谷虹児記念館」が彼の故郷である新発田市に建てられている。また、彼の「花嫁人形」を歌い継ごうと、1998年から毎年同市にて、「全国『花嫁人形』合唱コンクール」が行われている。

発行日 1969年5月20日
発行元 牧羊社
ジャンル 戯曲

ページ数 154
文学
舞台芸術

 

映画

『黒蜥蜴』は、劇作家によって戯曲化も行われている。有名なものとしては三島由紀夫による戯曲が挙げられ、これは1961年(昭和36年)、雑誌『婦人画報』12月号に初掲載。単行本は1969年(昭和44年)5月に牧羊社より刊行された。初演は1962年(昭和37年)3月にサンケイホールで、黒蜥蜴を初代・水谷八重子、明智を芥川比呂志で上演された。
 乱歩の「自註自解」によると、三島は子供の頃から本作の愛読者で、当初小牧正英舞踊団のための劇化を打診され、乱歩も承諾していたが中止となった。その後、演劇プロデューサーの吉田史子のために書き下ろしたのが三島版『黒蜥蜴』であり、乱歩はこの戯曲を「江戸川乱歩原作による三島由紀夫作」としている。三島の台本を読んだ乱歩は「なるほど、こうすれば奇抜な面白い劇になるなと感じられるようなものであった」と述べ、宣伝ビラに「私も上演を待ちかねている」と書いている。
 三島版『黒蜥蜴』は多数の団体により幾度も舞台上演され、多くの演出家が手掛けており、女盗賊「黒蜥蜴」役もまた多くの名優たちによって演じられてきた。戯曲では「雨宮潤一と桜山葉子」のように乱歩の原作にはない恋愛模様が描かれている。「エジプトの星」の受け渡し場所も、東京タワーに変更されている。
舞台作品における黒蜥蜴といえば、美輪明宏の代表作で、丸山明宏時代から数十年にわたり幾度も演じている。美輪は主演のみならず、演出・美術・衣装・音楽・人選等も自ら手がけている。近年は三島以外に、橋本治による戯曲化もある。

三島戯曲の単独刊行本
『黒蜥蜴』(牧羊社、1969年5月20日)
装画:FIDUS。題簽:蕗谷虹児。造本:三島由紀夫。A5変型判。金色帯。
口絵カラー写真4頁6葉(舞台写真:丸山明宏、ほか。撮影:山田健二)。
本文2色刷(活字は紫色、囲み飾り罫は銀色)。
特装限定版『黒蜥蜴』(牧羊社、1970年1月15日)
装画:FIDUS。造本:直木久蓉。A4変型判。154頁。総革装(紅色革、紫色革の2種)、天金、左右合わせ函、段ボール外函。
口絵カラー写真1頁1葉(舞台写真:丸山明宏。撮影:山田健二)。
本文2色刷。本文に蜥蜴のレリーフ(空押し)あり。本文、奥付、扉に装画6葉(FIDUS)。
限定350部(記番・署名入)。350部本の表紙は紅色で天金装だが、中にベージュ色のもの、三方金のものあり。

文庫版『黒蜥蜴』(学研M文庫、2007年6月25日)
金色帯。口絵カラー写真4頁4葉(舞台写真:美輪明宏、高嶋政宏、ほか。撮影:御堂義乗、山田健二)
付録として、自作解題、座談会(三島由紀夫×江戸川乱歩、ほか。三島由紀夫×美輪明宏)、解題(『黒蜥蜴』上演データ、美輪明宏『黒蜥蜴』のこと)
英文版『Mishima on Stage the Black Lizard and Other Plays』(訳:Mark Oshima)(Univ of Michigan Center、2007年1月)

おもな舞台公演
プロデューサー・システムによる3月サンケイ公演
1962年(昭和37年)3月3日 - 26日 東京・サンケイホール
脚本:三島由紀夫。演出:松浦竹夫。装置:伊藤熹朔。照明:穴沢喜美男。衣裳:中村乃武夫。音楽:矢代秋雄。効果:秦和夫、岡本広基。舞台監督:佐々木忠次。プロデューサー:吉田史子。
出演:初代・水谷八重子、芥川比呂志、田宮二郎、大空真弓、小川虎之助、賀原夏子、名古屋章、ほか
※ 三島戯曲版初の公演。
※ 千秋楽に三島由紀夫がボーイ役で特別出演。
※ 1962年(昭和37年)3月24日、31日にフジテレビで舞台中継。
松竹+東急提携15周年記念 名作特別公演
1968年(昭和43年)4月3日 - 26日 東京・東横劇場、4月28日 東京・歌舞伎座(アンコール公演)、8月1日 - 7日 名古屋・御園座、8月24日 - 29日 京都・南座
脚本:三島由紀夫。演出:松浦竹夫。美術:神取宏全。照明:今井直次。音楽選曲:矢代秋雄。効果:秦和夫。舞台監督:田中基。制作:寺川知男。
出演:丸山明宏(現・美輪明宏)、天知茂、広瀬みき、中山仁、村上冬樹、新村礼子、夏八木勲、ほか。千秋楽には三島由紀夫が生人形役で特別出演。
石原慎太郎潤色『若きハイデルベルヒ』と併演。 1968年(昭和43年)7月16日、23日に日本テレビで舞台中継。
丸山明宏大阪公演
1969年(昭和44年)7月1日 - 25日 大阪・新歌舞伎座
脚本:三島由紀夫。演出:松浦竹夫。装置:中嶋八郎。照明:今井直次。音楽:矢代秋雄。効果:秦和夫。衣裳:丸山明宏。舞台監督:田中基。制作:寺川知男。
出演:丸山明宏、岡田真澄、青山良彦、広瀬みき、村上冬樹、新村礼子、ほか
アレクサンドル・デュマ・フィス作『椿姫』と併演。
小川真由美・中山仁特別公演
1982年(昭和57年)5月1日 - 25日 京都・南座
脚本:三島由紀夫。演出:篠崎光正。装置:品川洋一。照明:沢田祐二。音楽:深町純。効果:辻亨二。衣裳:植田いつ子。舞台監督:種倉保夫。制作:寺川知男、荒牧大四郎。
出演:小川真由美、中山仁、光田昌弘、長谷直美、田島義文、斎藤美和、ほか
東京オペラ・プロデュース第22回定期公演 創立10周年記念
1984年(昭和59年)9月11日 - 12日 東京・日本都市センターホール
脚本:三島由紀夫。作曲:青島広志。指揮:三石精一。演出:出口典雄。美術:石井強司。照明:橋本和幸。衣裳:井上サチコ。舞台監督:増田啓路。プロデューサー:松尾洋、竹中史子。
出演:中村邦子、本宮寛子、山村民也、工藤博、ほか
※ オペラ化
11月特別公演
1984年(昭和59年)11月2日 - 27日 東京・新橋演舞場
脚本:三島由紀夫。演出:栗山昌良。美術:金井俊一郎、石黒紀夫。照明:沢田祐二。音楽:冨田勲。効果:田村悳。衣裳:緒方規矩子。舞台監督:加藤三季夫。制作:寺川知男。
出演:坂東玉三郎、北大路欣也、村上弘明、賀来千香子、菅原謙次、南美江、ほか
※ 昭和59年度芸術祭参加。
中日劇場公演
1986年(昭和61年)4月3日 - 26日 名古屋・中日劇場
脚本:三島由紀夫。演出:栗山昌良。美術:石黒紀夫、島川とおる。照明:服部基。音楽:冨田勲。効果:田村悳。衣裳:緒方規矩子。舞台監督:中川寿夫。制作:寺川知男。
出演:坂東玉三郎、草刈正雄、村上弘明、賀来千香子、菅原謙次、南美江、ほか
3月特別公演
1990年(平成2年)3月2日 - 26日 東京・新橋演舞場
脚本:三島由紀夫。演出:坂東玉三郎、福田逸。美術:石黒紀夫。装置:島田繁夫。照明:塚本悟。音響効果:内藤博司。衣裳:緒方規矩子。舞台監督:遠藤宣彦。制作:赤松洋行。
出演:松坂慶子、津嘉山正種、荻野目慶子、井上純一、伊藤敏八、南美江、ほか
※ 三島由紀夫20年祭
フロムスリー製作公演
1993年(平成5年)4月1日 - 18日 東京芸術劇場中ホール、4月20日 - 21日 名古屋・愛知厚生年金会館大ホール、4月23日 高松市民会館大ホール、4月27日 - 5月2日 大阪厚生年金会館中ホール
脚本:三島由紀夫。演出・美術・音楽・衣裳:美輪明宏。美術:松野潤。照明:下村秀昭。音響効果:高橋巌。舞台監督:北条孝。宣伝美術:横尾忠則。制作:佐野公一。プロデューサー:本位田永樹。
出演:美輪明宏、榎木孝明、宇梶剛士、佐倉しおり、有田麻里、田口計、ほか
ドラマチックオフィス企画制作公演
1997年(平成9年)5月30日 - 6月22日 東京・青山劇場
脚本:三島由紀夫。演出・美術・音楽・衣裳:美輪明宏。美術:松野潤。照明:原田保。音響効果:高橋巌。舞台監督:北条孝。制作:佐野公一。プロデューサー:本位田永樹。
出演:美輪明宏、名高達男、宇崎慧、藤谷美紀、有田麻里、田口計、ほか
篠井英介ひとり芝居『女賊』
1999年(平成11年)11月9日 - 23日 東京・三軒茶屋シアタートラム
脚本・演出:橋本治。舞台監督:伊達一成。
出演:篠井英介、鈴木規依示、田中謙次、ほか
パルコ劇場30周年記念公演
2003年(平成15年)3月5日 - 30日 東京・ル・テアトル銀座、4月3日 郡山市民文化センター、4月5日 - 6日 仙台・宮城県民会館、4月10日 - 12日 名古屋・愛知厚生年金会館、4月15日 - 16日 広島郵便貯金ホール、4月18日 - 19日 福岡サンパレスホール、4月23日 富山・オーバード・ホール、4月26日 長野県民文化会館大ホール、4月29日 浜松・アクトシティ浜松、5月2日 - 10日 大阪厚生年金会館芸術ホール
脚本:三島由紀夫。演出・美術・音楽・衣裳:美輪明宏。照明:戸谷光宏。音響:高橋巌。舞台監督:北条孝、佐川明紀。制作:祖父江友秀。
出演:美輪明宏、高嶋政宏、木村彰吾、須藤温子、有田麻里、田口計、ほか
T.P.T 「THEATRE PROJECT TOKYO」58
2006年(平成18年)11月24日 - 12月20日 東京・ベニサン・ピット
脚本:三島由紀夫。演出:デヴィッド・ルヴォー、門井均。
出演:麻実れい(緑川夫人・黒蜥蜴)、千葉哲也(明智小五郎)、山崎雄介(雨宮潤一)、宮光真理子(岩瀬早苗)、清水綋治(岩瀬庄兵衛)、岡本竜汰(堺)、ほか
※ この舞台により麻実れいは、第6回朝日舞台芸術賞舞台芸術賞と、第14回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。
宝塚歌劇団花組公演 『明智小五郎の事件簿―黒蜥蜴』
2007年(平成19年)2月9日 - 3月19日 宝塚大劇場、4月6日 - 5月13日 東京宝塚劇場
脚本・演出:木村信司。
出演:春野寿美礼、桜乃彩音、真飛聖、壮一帆、愛音羽麗、未涼亜希、桜一花、野々すみ花、ほか
※ 新人公演(2月27日)は、主演:野々すみ花、朝夏まなと、日向燦、初姫さあや、ほか
明治座創業140周年記念『黒蜥蜴』
2012年(平成24年)6月1日 - 24日 東京・明治座
脚本:齋藤雅文。演出:西川信廣。
出演:浅野ゆう子、加藤雅也、鷲尾真知子、渡辺哲、賀集利樹、林丹丹、ほか
パルコ劇場40周年記念公演
2013年(平成25年)4月5日 - 5月6日 東京・ル・テアトル銀座、5月12日 - 5月13日 名古屋・愛知県芸術劇場、5月18日 仙台・イズミティ21、5月24日 - 26日 大阪・梅田芸術劇場、6月1日 - 2日 福岡・キャナルシティ劇場、6月4日 広島・ アステールプラザ、6月8日 神奈川・グリーンホール相模大野、6月12日 高知・高知県立県民文化ホール
脚本:三島由紀夫。演出・美術・音楽・衣裳:美輪明宏。照明:戸谷光宏。音響:鹿野英之。舞台監督:佐川明紀。制作:祖父江友秀。
出演:美輪明宏、木村彰吾、中島歩、義達祐未、若林哲行、白川和子、ほか
映画(戯曲版)

『黒蜥蜴』は2度映画化されているが、いずれも三島由紀夫の戯曲を原作とした「三島戯曲の映画化」である。乱歩「自註自解」によると、三島の戯曲上演の前売りの段階から映画各社から映画化の話があり、吉田史子プロデューサーが大映に決めた。

大映1962年版
ミュージカル映画『黒蜥蜴』 1962年(昭和37年)3月14日封切。カラー 1時間42分。
製作・配給:大映。監督:井上梅次。原作戯曲:三島由紀夫。脚本:新藤兼人。音楽:黛敏郎。
作詞:三島由紀夫。(主題歌「黒蜥蜴の歌」、挿入歌「黒とかげの恋の歌」、「用心棒の歌」)
キャスト
黒蜥蜴(緑川夫人):京マチ子
明智小五郎:大木実
雨宮潤一:川口浩
岩瀬早苗・桜山葉子(二役):叶順子
岩瀬庄兵衛:三島雅夫
岩瀬夫人:目黒幸子
ひな夫人:緋桜陽子
北村:杉田康
松吉:中条静夫
堺:大庭健次朗
木津:長田健二
岐阜:竹村南海児
女中・夢子:久里千春
女中・色江:小笠原まり子
御用聞・五郎:三角八朗
ホテル支配人:谷謙一
ホテルボーイ:穂積明
用心棒:阿部脩・大川修・藤山浩二・北城寿太郎・丸井太郎

松竹1968年版
映画『黒蜥蜴』 1968年(昭和43年)8月14日封切。カラー 1時間26分。
製作・配給:松竹。監督:深作欣二。原作戯曲:三島由紀夫。脚本:成沢昌茂、深作欣二。音楽:冨田勲。
キャスト
黒蜥蜴(緑川夫人):丸山明宏(現:美輪明宏)
明智小五郎:木村功
雨宮潤一:川津祐介
岩瀬早苗・桜山葉子(二役):松岡きっこ
岩瀬庄兵衛:宇佐美淳也
的場刑事:西村晃
ひな:小林トシ子
黒木:丹波哲郎
原田:小田草之助
富山:服部欽二
大川:佐藤京一
松吉:木村功
堺:加島潤
木津:舟越竜二
ショーダンサー:宝みつ子
日本青年の生人形:三島由紀夫:※特別出演

 

黒蜥蜴を演じた女優・俳優
(☆印は、明智小五郎役の俳優)
戯曲
初代・水谷八重子 - ☆芥川比呂志
美輪明宏(旧・丸山明宏) - ☆天知茂、岡田真澄、榎木孝明、名高達男、高嶋政宏
小川真由美 - ☆中山仁
坂東玉三郎 - ☆北大路欣也、草刈正雄
松坂慶子 - ☆津嘉山正種
篠井英介 - ☆鈴木規依示
麻実れい - ☆千葉哲也
川辺実記 - ☆三上剛
阿左見真紀 - ☆榊原毅
浅野ゆう子 - ☆加藤雅也
オベラ
中村邦子 - ☆山村民也
松田麻美 - ☆古沢利人
江口二美 - ☆古沢利人
宝塚歌劇
桜乃彩音 - ☆春野寿美礼(2007年花組本公演)
野々すみ花 - ☆朝夏まなと(2007年花組新人公演)
映画
京マチ子 - ☆大木実
美輪明宏 - ☆木村功
テレビドラマ
野川由美子 - ☆滝俊介
倍賞美津子 - ☆夏木陽介
小川真由美 - ☆天知茂
島田陽子 - ☆小野寺昭
岩下志麻 - ☆伊武雅刀
松坂慶子 - ☆藤井隆
ラジオドラマ
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