16: 洒落本大成10『楼妓選』
洒落本大成10より 『楼妓選』
中央公論新社
昭和55年
4500円
家族の書棚を漠然と眺めていたら、洒落本大成画手をこまねいている。
何やら第10巻が微笑みかけてきたので手に取ってぱらぱらと眺める。
『一騎夜行』
ほほう…
「百鬼云々」の洒落か?と思うた。
『一騎夜行』は後ろ髪を引かれたが、『楼妓選』とは何ぞや?と思い、『楼妓選』の題名にひかれてこちらを読み始める。
これは宣伝か? 当時の洒落か?
やしきたかじんの「まわってまわって…」みたいに「かえってかえって」読んで見る。
無いやら固い文章の割には中味が面白い。
そして、附言
かねにうらみはかづかづござるしょかいのきゃくのゆくときはげいしゃほしいとさみしかりうらにとこばな三かいめ若ィもののせめどうぐハァなんとせんわがをもひ誠なるか 云々
と、早口言葉風に一気読み下井区長の良い言葉が息づ具間もなくおもしろおかしく並べた照られている。
附言の部分を故勘三郎さん風と故團十郎さん風に読み上げてみたい。
附言の後は、おか場所?の地図
地図だけでははかどらないと見えてか、活字で各店が抱える女の名や芸者名まで記されている。
浜崎屋軍二郎
おひゃく おしづ
おいわ おつぎ
おいく おその
おもよ
おませ
おさと
おりつ(十二ウ)
てなもんだ。
浜崎屋軍二郎の抱える女の名前を続けると
おひゃくおしづおいわおつぎおいくおそのおもよおませおさとさわいちちがった、おさとおりつ
そのあと
の様に楷書ではなく行書の版画は四枚
何やら
読んでいるうちに
「どうしょう どうしょうどうしょう どないしたらよろしいかいのう〜」
とまだ誰にしょうかと悩んでいる上方の若旦那を思い浮かべた。
おお、これはやっぱり、坂田藤十郎はん風に読みたいなぁ〜〜〜
などと、
『楼妓選』を読んでいても芝居からは慣れられないわたくしです。
皆さま
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