夕暮れ時のならまちを歩く 5 庚申さんの身代わり猿(くくり猿)
身代わり猿(くくり猿)
三尸の虫が嫌いだから軒先に吊す
真っ赤な座布団の四隅を折り曲げて一つにくくり、その間に白い顔を付けたもので、“手足をくくられた猿”
『庚申縁起』
文武天皇の御代に疫病が流行
元興寺の高僧・護命僧正が仏に祈る。
1月7日、庚申年の庚申日、青面金剛が現れる
「汝の至誠に感じ、悪病を払ってやる」と告げて消え去り、まもなく疫病が治まる。
元興寺は平城遷都(710)に飛鳥の法興寺(飛鳥寺)を移した
当庚申堂は、古くは元興寺に属していたらしいが、不明
蒟蒻と身替わり猿
『奈良市史』
当庚申堂で春・秋の庚申日には大根と蒟蒻の接待があった。
悪病や災難をもってくるという三尸の虫はコンニャクが嫌い。なので、人々は庚申の日にコンニャクを食べて退治。
また三尸の虫は猿が嫌い。
猿が仲間と毛づくろいしている姿が、三尸の虫を捕って食べている格好に見えたからという。
家の軒先に猿を吊し、悪病災難厄よけ
ならまちナイトカルチャー デッサン能
2012年5月27日