2013年節分
夫とふたりで京都国立博物館に行く。
第一目的は「方丈記」
だが、「特別展の国宝 十二天像と、密教法会の世界」がことのほか面白い。
ピッチを上げて読んで見ていたが、これらの部屋をまわりだけでも三時間以上かかる。
とにかく展示数が多かった…
三時間をとうにまわり、「方丈記」を展示された部屋につく。
ここには、絵巻物の「餓鬼草紙」があった!
ここで、自分の喉の飢え乾きに気がつく。(これは作ってはいない)
一度実物を見てみたいと思っていた「餓鬼草紙」
しっかりと覚えている場面が広げられている。
祭文の様子、甘水のおこ干しをちろちろと舐める餓鬼たち…。
「餓鬼草紙」の実物を前にして、
幸せだぁ!〜
と,深く感じた。
『日本絵巻大成 7 』から「餓鬼草子」「地獄草子」(5枚) 中央公論社 1977年S
『大地獄絵開帳(適時住職による絵解き説法)』 長岳寺本堂 奈良
『国宝六道絵』 泉 武夫/加須屋誠/山本聡美 編著 金井杜道 撮影 中央公論社
いろいろ興味深い展示はこの一部屋にも凝縮されていた。
絵巻物は他に天狗草紙が置かれていた。
「天狗草紙」とは「是害坊」のことで、ひと言でいうとだらけたお坊さまたちを皮肉ったパロディが,読み物(絵巻物)として描かれている。
その絵はキャラクター化し,カワイイ☆
字は骨太で愛敬がある。
言葉は、
「なになになにだよ、是害坊」
「なにがしうんぬん、是害坊」
「あれこれしかじか、是害坊」
と、是害坊で韻を踏む。
もちろん、【なになになにだよ、】の部分はわたくしのでたらめ
開かれていたページは、是害坊がこてんぱんに叩きのめされ、他の天狗たちが治療の為に煮えたぎった釡風呂を用意し、是害坊を湯に入れるという、動きのある場面。
会場でも詞書を二度読み、絵巻物を見ることができるという満足感をしみじみと味わった。
『続日本絵巻大成19天狗草紙 』影印「天狗草紙」延暦寺巻 詞書 園城寺巻 東寺巻 三井寺巻AB
『続日本絵巻大成19 土蜘蛛草紙・天狗草紙・大江山絵詞 』影印「大江山絵詞」「解説」(4枚)
ところで…治療の為に煮えたぎった釡風呂に入れてもらう(笑)是害坊だが、【湯】には魔力があるとされる。
神社などの湯立神事はその一例で、身病息災とされる。
待ってましたの「方丈記」
今年は「方丈記」をぜひとも読みたいと思いながら、五月も過ぎようとしているな(*^-^*)
京都国立博物館にて
美術館、博物館関係の未記録がいっぱたまっていますm__m