『楳図かずお大美術展』あべのハルカス美術館(大阪)2022年11月
11月某日
『楳図かずお大美術展』を楽しむ。
小学生の頃に貸本屋さんで借りた楳図かずおは、強烈な印象で怖かった。
展示部t流を見ていると、読んだことのある作品は割合に少ない。
中でも『ベビ少女』は私にとって絶品と言えるほど印象に残り作品。
小学一、二年のの頃に通ったと思っていた貸本屋さんは、実は、小学四年生まで通っていたことが判明。
私のルーツの一部を抉り出されたかのような感覚に陥った。
実意は私は漫画の単行本というものを購入したことが一度もない。
だが、ちゃっかりと小学低・中学年の頃に貸本屋さんに思い出したかのごとく通っていた。
当時、一冊確か10円から20円で借りられたような気がする。
雑誌は安く5円程度だったのではないだろうか、、、
貸本屋さんのガラス戸をガラガラと右に開けると、小さな店内には狭い畳がしかれ、真ん中に偏屈そうなおっちゃんがあぐらをかいて座っている。
一見怪訝そうなおっちゃんはメガのの下から目をのぞかせ、
「いらっしゃい。」
の一言。
本棚はおっちゃんの周りを囲んでいて、土間の手前んも人気の漫画が置かれている。
手前の手の届く漫画なら手軽であるが、おっちゃんの周りを囲んだ本棚にある漫画を撮ってもらうならは、息を飲んでお願いする。
恐る恐る小さな女の子が、
「すみませぇ〜ん。そこの◯◯を取ってくださイィ。」
と絞り出すような声でお願いすればおっちゃんは座ったまま、先が曲がったような棒で(?)でお目当の漫画本を器用に自分の方向に落とし、手を伸ばして私てくれる。
ちょい、この本はハズレだなとと思っても、おっちゃんに本を終わせるのは申し訳ないと幼心に思い、そのまま借りて行く。
ところがどっこい、好みでないはずのタッチの絵だが、これが宝物に遭遇という幸運に恵まれる場合もある。
私の世界のほんの一部が広がる瞬間だと言った大げさなことは言うまいが、若干的を得ているとも考えられる。
地味な画の構成とデッサンではあるが、筋書きが興味深く今も心に残り物がある。
作者は今となってはわからないが『たけし』と云う漫画であったことを覚えている。
話戻って、『楳図かずお大美術展』は言って損はなかった。
上にもかいたが、小学時代を思い浮かべ、懐かしく感じた。
また、楳図かずおは絵、デッサン力、構成力、構図、色彩の面白さに炊けるだけではなく、話の展開は面白い。
ブラックユーモアよろしく、未来予想、空間能力、話の構成力が見事で天才であると感じた。
中には星新一を思わす作品もある。
また、場面場面に古典絵画や印象派や表現主義が織り込まれていて、それを見つけるのも一つの楽しみ方である。
一見奇想天外に感じるが、民話や寓話を軸に展開する作品もあり、或いは、その当時分裂症(ママ)と言われた感覚をも盛り込み、面白かった。
展覧会に行く前には映画『マザー』を見ていたので、意識は一層高鳴った。
もう一度言わせていただこう。
楳図かずおは天才だと強く感じた。
楳図かずおは漫画家であるが、作家であると感じた。
何の気なしに見に言った展覧会であったが、色々な意味で私には有意義な展覧会であり見てよかったよ感じた。
以下は『楳図かずお大美術展』あべのハルカス美術館(大阪)公式HPより引用。
楳図かずお大美術展
KAZUO UMEZZ THE GERAT ART EXHIBITION
2022年9月17日(土)~ 11月20日(日)September 17 (Saturday), 2022 to November 20 (Sunday), 2022
楳図かずお《ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館》(部分)
2021年 © 楳図かずおKazuo Umezz, ZOKU-SHINGO Small Robot, Shingo Museum (detail), 2021