『勧進帳 (弁慶=幸四郎)』
出演:松本幸四郎 市川團十郎 大谷友右衛門 中村翫雀 市川高麗蔵 松本錦吾 松本金太郎 坂田藤十郎
2012年
74分
カラー
歌舞伎屈指の人気演目『勧進帳』の〈弁慶〉〈富樫〉を役替りの競演で。 七世松本幸四郎が当り役とし生涯で1600回以上演じた『勧進帳』の弁慶。昨年10月の新橋演舞場公演では、七世幸四郎の孫にあたる当代松本幸四郎と市川團十郎が、その弁慶と、相対する富樫の二役を“昼夜役替り”で演じて大きな話題となった。この時間は、幸四郎の弁慶、團十郎の富樫、坂田藤十郎の義経の配役で<夜の部>の舞台をお届けする。 都を落ち行く源義経一行。義経は強力(ごうりき)に、弁慶らは山伏に姿を変えて奥州を目指すが、安宅の関で富樫左衛門の詮議を受ける。富樫は一行を義経主従と見破りながらも、主君を守る弁慶の命懸けの振る舞いに心打たれ、関の通行を許すのだった。(2012年/平成24年10月・新橋演舞場)
先日の記録
『勧進帳 (弁慶=幸四郎さん)』の弁慶六法を振る手はガバ っ!須田国太郎のでフォルメのようで好き。お若い頃の勧進帳とは見えの切り方が違い、お歳を重ねられてからの弁慶も味わい深い。幸四郎さんの弁慶は存在感があり、「でっけぇ〜(笑)」 摺り足や踊りの姿が美しく、気品が感じられる。松葉目物を堪能できる『勧進帳』 昼夜役変わりとあってお力を入れられていたようで、芝居中に三度、力のこもった掛け声有り。昼夜義経を演じられた藤十郎さんは弁慶冨樫の役者違いに合わせた演じ方をなさり、素晴らしいと感じた。
二月、幸四郎さんと團十郎さんの役替わり『勧進帳』が二度ずつ放映され、全て見たよ。
感心するのが藤十郎さん。
以前にも書いたが、役者さんに合わせての気品ある演じ方だと見入ったよ。
ところで、幸四郎さんの弁慶
わたくしが十代の頃見た幸四郎さんの弁慶の見えの切り方とはずいぶん違うよ。
お歳を重ねられ、弁慶に幸四郎弁慶の性格を吹き込んでおられるよ。
また、間の良い場面で、弁慶の色気や艶をそっと表に出し、弁慶という男の魅力を表現されていたよ。
以前幸四郎さんはこんなことを言っておられた。
「能楽を見たげれば能楽、狂言を見たければ狂言に行って下さい。……」
基本を踏まえての舞や歌舞伎を演じられる幸四郎さんの重みのある言葉だと感じるよ。
幸四郎さんはわたくしが高校生の頃に見た重厚な【歌舞伎】を演じようとされている役者さんの一人だと感じる。
不思議なことに 幸四郎さんの弁慶を見ていると彼の存在感が大きく、舞台が小さく小さく感じるよ。
歌舞伎の掛け声「でっけぃ〜〜」という言葉が、頭の片隅にちらつくよ。
幸四郎さんが余りにも大きく立派出魅力的に演じられるものだから、まわりの山伏姿の役者さんたちも少し大きめに演じておられるよ。
すきだな!幸四郎さんの弁慶☆
わたくしの持っている、浮世絵 一勇斎國芳の勧進帳(弁慶)みたいだ!