映画『サクライロ』2014 30分 斎藤工監督 斎藤工 奥田恵梨華 水橋研二
斎藤工のこの映『サクライロ』も言わんとすることがひしひしと伝わってきた。
筋書きもいい。
細やかな配慮もいい。
筋書きも良い。
役者の演技も良い。
最初に斎藤工が透明の緑(アクリル系透明水彩絵の具)を多用していた。
キャンバスではなくワトソンに書かれた絵は抽象画であったが、手や服についた絵の具、画用紙の裏についた絵の具まで透明の緑であった。
又、皿の上に置かれた三つのパンの一つにも、緑の絵の具がついていた。
惜しいのが、画用紙の裏の絵の具。
画用紙左裏であったが、筆で3つ4つ、右向きに筆置きの点が置かれていた。
あれは左手人差し指、中指あるいは薬指で画用紙の裏を掴み、左指の指紋が左下に点があ走るのがふさわしいであろう。
もう一つ。
デッサンではないので強調はできないが、絵を描く場合は菓子パンを皿に並べるのではなく、袋に入ったままの食パンがふさわしいであろう。
それ(食パン)をちぎりながら口にほうばり、緑の絵の具がついた食パンが無造作に食パンの袋の上に乗せられている方が、よりリアルである。
デッサンやクロッキーではなかったので強要はできないが、食パンは消しゴミの代わりに使われたり、ぼかしたり、絵を描く上で色々と重宝する。
さらに一つ。
言わんとしたことは十分に伝わったが、抽象画にせよ、いくらなんでもえが下手すぎ、色感が悪すぎた。
もう少しまともな絵を何枚かは加えていただかないと、いくらなんでも初心を振り返る思い出の絵を個展会場で繰り広げたとしても、映画の面白さが半減するのが口惜しい。
斎藤工の志や目指すものに対する姿勢は、私は好きなので、これからも自由に、どんどんと自分の思う作品を作り続けられればいいなと感じた。
こういう向上心のある役者は素晴らしいと私は思う。
斎藤工作・監督
斎藤工 奥田恵梨華 水橋研二