覚書
『源氏物語』 一冊 - 1、2、3 紫式部著 三条西家旧蔵 三条西実枝(写)
1
(表紙) きりつほ
2
(裏表紙 一丁面 無地)
3
( 一丁裏 無地)
3二丁表
いつれの御時にか、女御、更衣あまた、さふ
らひ給けるなかに、いとやんことなききは
にはあらぬか、すくれてときめきたまふ
ありけり、はしめより、「われは、」と思ひ
あかりたまへる御かた/″\、めさましき
ものにおとしめ、そねみ、おなしほと、
それより下﨟の更衣たちは、まして
やすからす、あさゆうのみやつかへに
つきても、人のこゝろをうこかし、うらみを
おふつものにや、ありけん、いとあつしく
更衣
1 衣服を着替えること。ころもがえ。「更衣室」
2 平安時代、女御 (にょうご) に次ぐ後宮の女官。天皇の衣替えをつかさどる役であったが、のち、寝所に奉仕するようになった。
「女御―あまたさぶらひ給ひける中に」〈源・桐壺〉
下﨟 名詞
①修行年数の少ない、地位の低い僧。転じて地位の低い人。
出典源氏物語 桐壺 「それよりげらふの更衣(かうい)たちは」
[訳] それより地位の低い更衣たちは。
[反対語] 上﨟(じやうらふ)。
②下賤(げせん)の者。身分の低い者。
出典徒然草 一〇九 「あやしきげらふなれども、聖人の戒めにかなへり」
[訳] 卑しい身分の低い者であるが、(言うことは)聖人の教えに合っている。
参考「﨟」は、僧が修行をつんだ年数を表す語。その数で身分の上下がきまった。
おふつもの
負う つもり
あつしく
病気が重くなっていき、何とは無しに心細げである様子。
早稲田大学図書館 (Waseda University Library)
ヘ02 04867 0051
三条西家旧蔵
三条西実枝(写)
書写年不明
54冊 25cm
三条西家旧蔵