『政演画人 百人一首和歌始衣抄全』をみておたら、序文でいきなりややこしいじが出てきたので、一旦退散。
『百人一首和歌始衣抄全』の概ねの筋を見てみることにした。
在原業平朝臣
(中略)
ちはやふる神代もきかす龍田川
からくれなゐに水くゝるとハ
此哥ハあまねく人しる所なれども。そのあやまちをたゞし。口伝をしるす。
ちはやふる
○ちはやといふ女郎ありけるが。
ある角力取。その女郎をあげてあそびけるに。
此女郎。よくきやくをふるくせありて。
かの角力とりを。そのよさんざんふりける。
ちはやふる 道外百人一首なり平の哥。
ちはやふるかミくすかひにたとんうり 云々
毒虫去ル哥 ちはやふる卯月八日ハ吉日よ
神代もきかす
○かの角力とりハちはやにふられて。
さミしくひとりねしてゐるゆへ。
いもと女郎の神代といふをくどひてミたれど。
神代もきゝいれぬなり。
龍田川
○かの角力とりの名を龍田川といふ。
その後角力とりをやめ。
とうふやをはじめ。
とせいをいたしける。
龍田川
古今和哥集序秋のゆふべ。
龍田川になかるゝもミちハ。
ミかとのおほんめにハ。
にしきと見給ひ。
嵐雪玄峰集
すまひとりならぶや秋のからにしき
からくれなゐに
○ちはやハあまりきやくをふりふりして。
年あけのじぶんも。
せわにならふといふきやくもなく。
ついにかミくずかひの女房となり。
こゝにもゐとけず。又たどんうりの女房となり。
今ハその日をくらしかね。
朝夕の食事にも。
かてめしをくふやうな事にて。
龍田川が内ともしらず。
かのとうふやへ。
とうふのからをもらひに行しが。
たつた川ハむかしのいしゆがあるゆへ。
からをくれぬ也。
その心を。
からくれないとハよめり。
からくれなゐ
当流小謡山姥ニ曰。
柳ハミどり花ハくれなゐ。
水くゝる
○ちはやハ。しよせんかつゑて死なんよりハ。
いつそ身をなげんと。
からす川へ身をなげける。
その心を。水くゞるとよめり。
水くゞる
てまり唄ニ曰。
いはれたが。
めぼくなひとて。
からす川へ身をなげて。
身ハしつむ。
かミハうきる。
そこで女子のをん心と云々。
とは
○とはトハ。
ちはやがおさな名なり。
伊達競阿国戯場ニ。
此哥の心をつくれり。
角力とりをきぬ川とし。
龍田川といふ名のゑんによりて。
ちはやを高尾にとりくミ。
とうふやをなんぜん寺とうふにとりくミ。
いもと女郎のかミ代をかさねにやつし。
高尾を入水のていにもてなす所まで。ミな此哥のさま也。
『百人一首和歌始衣抄全』も『百人一首和歌始衣抄全』を引いての落語も、知りませんでした。
某ブログを展開されていらっしゃる某方に心より感謝します。
ありがとうございました。
大変勉強になりました。