絵図は二巻
『年中行事絵巻』36 【巻四 射遣(いのこし)に僧たちや、出待ちの官人たち】九紙〜十四紙 中央公論社 小松茂実編
日本絵巻大成 8 巻四 九紙〜十四紙
被衣を着た、女4人が旅に出る姿が見られる。
西陣舎の前に、絹衣の上に五条袈裟、下駄、右手に団扇、左手に鹿杖(かせづえ)をつく僧など。
数珠をまさぐる僧。
諸国遊行の念仏僧は、杖の先に鹿の角をつけ、数珠と経典を巻きつけている。
にこやかに話す僧たちは、射遣(いのこし)の見物客で有る。
後ろの築垣には座って並び、射遣(いのこし)の出番の順番を待っている官人。
多少、興奮気味な面持ちである。
鹿杖(かせづえ)
1 先が二またになったつえ。
また、上端をT字形にしたつえ。
撞木(しゅもく)づえ。
「平足駄履き、―を突いて」〈平治・中〉
2 僧侶などが持つ、頭部に鹿の角をつけたつえ。
わさづの。
鹿
シカにまつわる伝説・逸話
世界各地の山野に数多く生息していたシカ科の動物はほとんどの民族の文化に対して古くから重要な影響を与えていたと思われる。
後世の文化においては、シカは「俊敏」「非力」などの象徴として、また時には峻険な山岳地の象徴として用いられることがある(カモシカも参照)。 (ウィキペディア)