劇団民藝「帰還」
演出:山下悟
作:坂手洋二
スタッフ
装置……島 次郎
照明……小笠原 純
衣裳……緒方規矩子
効果……岩田直行
舞台監督……兒玉庸策
キャスト
横田正……大滝秀治
横田昭信……杉本孝次
寺井美紀……藤田麻衣子
浅沼秀子……船坂博子
大野麻理……中地美佐子
守谷孝一……西川 明
長谷川茂……みやざこ夏穂
山部重臣……三浦 威
中村聡……山本哲也
こづえ……戸谷 友
沢田みか……新澤 泉
桐本義光……稲垣隆史
藤枝満……境 賢一
すべての役者さんに
2011年
160分
カラー
日本を代表する新劇団:劇団民藝の最新作をテレビ初放送 民藝初の坂手洋二書き下ろし、大滝秀治の主演による期待の舞台化 ダム建設事業に翻弄される村を舞台に、社会や人の生きざまを鋭く問う 男は帰ってきた。その集落に。故郷でもない、何十年も訪れたことのない、その場所に。なぜもう一度その地を訪ねようと思ったのか。それは、青春の記憶の中にのみ残っているその場所が、新たに建設されるダムに沈むことを知ったからだ。帰還したその地で、男は女に出会った……。民藝初の坂手洋二書き下ろし、大滝秀治の主演による期待の舞台化。未来の定まらぬままに模索した1950年代の日本から、現在にも繋がる精神の彷徨を描く。 公演日程:2011年6月〜7月 紀伊国屋サザンシアター
以前にも見て非常に感動した劇団民藝「帰還」をもう一度楽しむ。
社会問題や文俗学的要素にも触れられ、筋書きが面白い。
子守りや他村にまつわるいろいろな会話…柳田國男氏や赤松啓介氏をにおわせる表現があり、ワクワクする。
感心するほどの間の上手い役者三たちが多く出ておられ、見入ってしまう。
大滝秀治さんの二度ばかり出てくる重厚な「生きている」という言葉は、真っ黒なキャンバスに少し黄色がかったたっぷりの絵の具で最後の「点」を置き、二,三的滴りを持って余韻を残す。
それはまるで上質の書道の陽に感じた。
おそらく西川 明さん(?)であろう車いすの俳優と、息子役の杉本孝次さんはすこぶる声がよく、台詞に酔った。
中地美佐子さんの母に乗り移る場面。ここは一部浄瑠璃を感じさせ、テンポが面白く良いなと思った。
他の役者さんたちも素晴らしく、テレビを通してではなく実際にこの目で舞台を見てみたいと強く感じた。