『年中行事絵巻』日本絵巻大成 8-17 【巻一 「抜頭(ばとう)」の舞】五十八紙〜六十一紙 中央公論社 小松茂実編
日本絵巻大成 8 五十八紙〜六十一紙
「抜頭(ばとう)」の舞
赤地の砲を着け、糸毛の飾りを巡らしたりょうとうを着け、鳥皮靴をはき、右手を腰に当て、左手に黒漆の撥(ばち)をかざすのはまさし「抜頭(ばとう)」の舞である。
砲(ほう) 綿入れ、ぬのこ 普段着 うわ着 「抜頭(ばとう)」の舞 抜頭(ばとう) 雅楽のなかの唐楽の曲名。 林邑 (チャンパ) から伝来したとの説もある。 舞があり,1人舞。舞人は朱色の装束を着,鼻が高く髪の長い赤い面をつけ,太い桴 (ばち) を持つ。笛による「古楽乱声 (らんじょう) 」を伴奏に登場の舞を舞い,「音取 (ねとり) 」のあと当曲の舞となり,当曲を続けるうちに退場する。 唐の后妃で鬼になった姿を模した舞ともいわれる。 早只拍子のリズムによる舞と夜多羅 (やたら) 拍子のリズムによる舞の2種があり,前者は左方,後者は右方の舞に配されている。 抜頭(ばとう) 9世紀頃には、伎楽は衰亡し、舞楽がこれにかわることになり、平安時代に宮廷儀式として定着し、神社.寺院もこれをとり人れた。 その舞いに用いる仮面。伎楽面より小さく能面より大きい。
抜頭の舞が作られた背景には、女性が嫉妬に喘ぎ舞ったという説と、親を殺された息子が怒り狂う様を舞ったという説の二通りあり、面も、髪をつけたもの、つけないものがあります。
舞の中に髪を掻き上げる所作があり、現在、宮内庁にて所蔵されているものには髪の毛があると言われています。 https://nohmask21.com/bato.html