化物和本草 16 十二丁裏 十三丁表「うその皮(かわ)」
山東京伝作 葛飾北斎画 寛政十 版元 山口屋忠右衛門
化物和本草 3巻
山東京伝作 1761-1816
葛飾北斎画 1760-1849
版元 山口屋忠右衛門
寛政十 (1798)
18cm
黄表紙
読んでいるのは、早稲田大学デジタルライブラリー
化物和本草 十二丁裏
「うその皮(かわ)」
うそといふたものハ、いたち、むさゝびの
ごとく、ごとく、めからはなへぬけ出る
つうりきをゑて、ひとをまどハす
ものなり、つらのかハいたつて
あつくしたハ、こまいあつて
したつぱらにハけのなき
そのかみ、めつぽう弥八 けだものにて
まんざらの万八といふ
両人のかりうど、からでつぽうを
はなして、うちとめたりといふ、
化物和本草 十三丁表
ものまへに
なると
このしつ
ぽを、
いだして
人に
みらるゝ
なり
化物和本草 十二丁裏 下
しめこのうさぎを
つい、にがしたから
このけだものを
せしめ
たるしに
して
こま
そふ
化物和本草 十三丁表 下
「さて/\
おそろしい
けだものじや、
はやく
にげ
ませう
うその皮(かわ)
カワウソ
嘘の皮
しめこのうさぎ (連語)
物事がうまくいったときにいう言葉。しめた。しめしめ。
「しめた」を、「(うさぎを)絞(し)めた」かけたシャレから。
しめこのうっさうさ
歌舞伎『法界坊』など
悪人などを捕まえて捕り物の縄で住め捕まえる場面で出てくる。
大概は悪人がほとほとと困り顔で座っているところを、捕り捕まえる人物、一人か二人が、リズミカルな抑揚と足取りで、悪人を綱手巻いていく。
「しめたぞ、しめたぁ〜、しめこの、うっさうさっ。しめたぞ、しめたぁ〜、しめこの、うっさうさっ。」
と、足取りが楽しい。