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Channel: 乱鳥の書きなぐり
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化物和本草 5 丁裏 三丁表  山東京伝作 葛飾北斎画 寛政十 版元 山口屋忠右衛門

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 化物和本草 5 丁裏 三丁表  山東京伝作 葛飾北斎画 寛政十 版元 山口屋忠右衛門

 

 

 化物和本草 3巻

 山東京伝作 1761-1816

 葛飾北斎画 1760-1849

 版元 山口屋忠右衛門

 寛政十 (1798)

 18cm

 黄表紙

 早稲田大学所蔵

 早稲田大学図書館 (Waseda University Library)

 

化物和本草 三丁裏

平歌舞伎三階圖會(かぶきさんかいつゑ)に曰(いはく)

 

にんかんのなまづハいちやう

らの ふくのとき、やう□はしめて はつするのころ

しばゐヘあらハれ、くげあらす くみして、さま/″\

ふぜんをなし、じつ事しのためにハ

はなハだとくきふなり、

もしこの うを のどくに

あたりたるときハ 團十郎もぐさを

表たかにすへべし、

たちどころに とく をけすなり

また、この うを のはねを

たてたるとき、しばらく/\と

三づゝ となへてのどを

なでべし、きゝやうに

ぬけるなり

いやはや

とほうもなき

  どくぎよ

    なり

 

化物和本草 三丁裏

ぢや□んのなまずハ

まんざいらく/\と

いへども、とのなまづハ

しばらく/\と

 いへバ たちまち

   むけるなり

 

化物和本草 三丁裏 下

    じんめん なまず

    人面の鯰

 

化物和本草 四丁表

屋形船に乗った男衆が、鯰を見て行った言葉

 「とらまえたらよい

  みせもので

  あらふ

  これを

  しえたる

  ひやうたんを

  もつてくれバ

  よかつた、

 

歌舞伎三階

 三階さん

 歌舞伎役者は弟子入りすると、そのほとんどが「大部屋」と呼ばれる大勢が共同で使う楽屋に入ります。

 この大部屋が歌舞伎座の三階にあったので、大部屋役者のことを「三階さん」といいます。

 10年程度の修行を積み、名題試験という試験に合格して資格を取得、名題披露をすれば「名題役者」となります。

 現在お給料はに二十万程度と少なく、この仕事を離れていく方が多いとのこと。

 歌舞伎の賑わいに華を添える三階さんたちの技術と努力は素晴らしく、演目によっては拍手の渦が巻き起こります。

 歌舞伎、見たいなぁ!!!

 

にんかんのなまづハいちやう

らの ふくのとき

 任官の鯰は いっちょら の服の時

 

團十郎もぐさ

 江戸のもぐさ屋-団十郎艾-

 もぐさには、予め撚って粒に切った切艾(きりもぐさ)と、加工していない散艾(ちらしもぐさ)がある。江戸時代、切艾は団十郎艾が有名ブランドだった。

 菊岡沾凉の『近代世事談』(1734刊)にこうある。「団十郎艾、元禄のはじめ、神田鍛冶町箱根屋庄兵衛といふ者、箱根の湯泉晒と称して切艾を製す。看 板あるひは艾の印に三ツ角の紋を付る。これ市川団十郎という芝居役者の紋なり。此切艾の製よろしとて江戸中に流布す。是を倣ひ所々に切艾の製あり。庄兵衛 が印を模して、おのおの三ツ角の紋を付て、三升屋何某、市川屋何某などゝ名を付てこれを売るなり。団十郎がはじめたるにあらず」、と。

 三ツ角は升目を三重に囲った紋で、三升紋ともいう。江戸では笹屋と三升屋が切艾で繁盛していた。笹屋はもぐさ売り姿の団十郎人形を店頭に飾り、江戸名物だったという。笹屋が安永年間に廃絶した後は、三升屋がやはり団十郎人形を店頭に飾って有名だった。

 表紙絵は『此花』(1777刊)に載る図で、店先に座るのがもぐさ売り姿の団十郎人形、暖簾に「御江戸/とをりはたご(通旅籠)町/本三升屋/平右衛門 /製」、掛看板に「くんさい(薫斎か)薬きう(灸)」、箱看板に「大でんま(伝馬)丁(町)能(の)三丁目/とをりはたご町/本三升屋平右衛門」「回陽堂 /正製御薬切艾元祖/永持道意製」とあり、三升中に艾の字をデザインした紋が瓦と箱看板に見える。
図は松宮三郎『江戸の看板』(1959、東峰書院)より。

(真柳誠「江戸のもぐさ屋-団十郎艾-」『日本医史学雑誌』51巻1号表紙絵、表1(絵)と2頁(解説)、2005年3月) http://square.umin.ac.jp/mayanagi/paper04/mogusaya.html

 

たちどころに とく をけすなり

 立ち所に毒を消す也

 

また、この うを のはねを

たてたるとき、しばらく/\と

三づゝ となへてのどを

なでべし、きゝやうに

ぬけるなり

いやはや

とほうもなき

  どくぎよ

    なり

成田屋十八番 『暫』

この うを のはねをたてたるとき

 花道で三桝模様の伸子(しんし)のはった四角い袂を広げる

しばらく/\と三づゝ となへて

 花道いよいよ登場の際「しばらくぅ〜」「しばらくぅ〜」「しばらくぅ〜」

いやはや とほうもなき どくぎよなり

 上を読んで、笑ってしまった。

 

まんざいらく/\と

いへども、とのなまづハ

しばらく/\と

 いへバ たちまち

   むけるなり

江戸時代から成田屋の十八番の内『暫』は人々に人気があったようだ。

 

 

 


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