数日前にもなるだろうか。
歌舞伎美人にて、市川海老蔵さんの團十郎襲名披露の延期を知った。
團十郎の睨みは疫病神を退散させるという。(伝承)
早く世の中が収まり、襲名披露を迎えることを望む。
團十郎家の十八番之内の中に、『外郎売』(ういろううり)という演目がある。
『外郎売』は早口言葉の場面も一つの醍醐味^^
『東海道中膝栗毛 初編』によれば、團十郎家の『外郎売』の店は、『東海道名所図会』にも出てくるという。
『東海道名所図会』では、八つ棟も店の図があり、「北条氏網の時、京都西洞院綾小路外郎(ういろう)といふ者、此地に下り、家方透頂香を制して氏網へ献ず。」とある。
『東海道中膝栗毛 初編』では、虎屋藤右衛門で販売した丸薬「外郎」のことを、透頂香という。
透頂香は、痰を治し、咽喉を守るとされる。
江戸にも出店があり、市川團十郎家の外郎の口上で宣伝された。
つまり、芝居の中で外郎(薬)透頂香の宣伝がされたという。
そういえば、江戸時代、團十郎が根付などをの小物や衣装などを身に付けると、民衆は同じ商品を買い求めたという。
今のエルメスのようなブランド品といったところかと思う。
三枡の着物なども着たがる殿方が多かったらしいので、さぞや演目にもなった外郎(薬)透頂香は売れに売れたことであろうと楽しんでいる。
『東海道中膝栗毛 初編』に戻ると、弥次さん北さんたちは、
「な〜んだ、食べ物じゃなかったんだ。薬だったんだ^^」
と、笑いながら、通り過ぎる。 (東海道中膝栗毛 初編 小田原の宿を過ぎた頃の話)