『浮世東海道中膝栗毛初編 発語』 十遍舎一九
神田の八丁堀〜高輪〜鈴ヶ森〜大森〜金川(神奈川)
江戸から目指すは、
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やまと巡り
花の都(京都)、
梅の浪花
弥次郎兵衛(弥次郎兵衛へ)
神田の八丁堀辺に住む
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高輪(江戸府内の南口)
海辺をばなどしな川といふやらん
と難時たる上の国、きた八とりあえず、
さればさみずのあるにまかせて
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鈴ヶ森
おそろしや罪ある人のくびだまにつけたる名なれ鈴が森とは
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大森
飯にたくむぎはらざいく買いたまへこれは子どもをすかし屁として
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金川(神奈川) 飯屋の女
あったかな冷や飯
煮立ての肴の冷めたもの
そばのふといの
うどんのおっきなもの
茶屋の娘
やじ「おめえの焼いた鯵なら、美味かろう。
やじ
ごつたと見ゆる目もとのおさかなはさてはむすめがやきく去ったか
きた八
味(うま)そふに見ゆるむすめに油断すな貴奴が焼いたるあじの悪さよ
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神奈川の宿を出たところ (十二、三歳の伊勢参りと後先なりて)
弥次「与太郎どののかみさまは、たしか女だっけ
イセ「おつかさまァ、女でございます
弥次「そのかみさまは馬と色事して
イセ「庄屋どんのおつかさまぁ、内の馬右衛門といふ男とつつぱり(駆け落ち)した