乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 17 風流踊(ふりゅうおどり)または風流(ふりゅう)
いつだったか誰ぞが、古くは「風流」は「ふる」と読み、「風流踊」は「ふるおどり」と読むのが好ましいといっておられた。
その後、友人と「風流踊」について話す機会があったが、それはおかしいのではという。
気になったので辞書やネットで検索してみれば、「風流」は「ふりゅう」、「風流踊」は「ふりゅうおどり」と書かれていた。
確かに民俗学関係か歴史或いは美術、伝統芸能の関係の書物の記述で「ふる」といった表記も見たような気がしないでもない。
だが、辞書を引いて、「風流」は「ふりゅう」と書かれており、胸のつかえがおりた思いだ。
狩野長信『花下遊楽図屏風』左隻
安土桃山時代の風流踊のようすが描かれている。
風流踊 (Wikipedia)
風流踊(ふりゅうおどり)または風流(ふりゅう)とは、中世芸能のひとつで、鉦・太鼓・笛など囃しものの器楽演奏や小歌に合わせて様々な衣装を着た人びとが群舞する踊りである。
室町時代に流行した。
概要
華やかな衣装で着飾り、または仮装を身につけて、鉦(かね)や太鼓、笛などで囃し、歌い、おもに集団で踊る踊りである。
のちには、華麗な山車の行列や、その周囲で踊った踊りを含めて「風流」と称した。
疫神祭や、念仏、田楽などに起源をもつ芸能と考えられている。文明9年(1477年)まで続いた応仁・文明の乱以降とくにさかんになり、踊りを中心に広まった。
歴史的には、『豊国祭図屏風』に描写された慶長9年(1604年)の豊臣秀吉七回忌における豊国神社の風流踊がよく知られている。
江戸時代に入ると、一回性の趣向を凝らして人目を奪うといった風流の精神は失われ、固定化された踊りとして各地の農村に定着した]。
風流踊りの踊り歌は武家の視点に立った武家好みの歌詞が多く、藩政下において雨乞いの一手段として奨励・助成された。
多くの風流踊りは継承が途絶えたが、三重県伊賀地方などでは現在も継承されている。
後世、亡者慰霊のための念仏踊や盆踊り、雨乞踊、虫送り、太鼓踊、浮立(ふりゅう)、剣舞(けんばい)、迎講、仏舞 [要曖昧さ回避](ほとけのまい)、小歌踊、願人踊(がんにんおどり)、綾踊、奴踊、花笠踊、棒踊、祭礼囃子、太鼓打芸など、多くの民俗芸能、民俗行事の源流となった
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 1 「引歌」と「本歌取り」
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 2 「影印」と「印影」、「影印本」(景印本、影印)と「覆刻本」
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 3 丈(じょう )と 丈(たけ)
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 4 「草紙」と「草子」と「双紙」と「冊子」
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 5 「清元」と「常磐津」と「長唄」と「義太夫」
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 6 「千秋楽」と「千穐楽」と「千穐樂」
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 7 「文化功労者」と「文化勲章」
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 8 「気功」と「気」の違い、及び「気功」と「気」の中国と日本の違い
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 9 「忖度」江戸時代すでに言葉の変化が認められた事を『玉あられ』(本居宣長著)で再確認した。
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 10 弥生(日本に置ける3月)、暮の春、建辰月、月宿、夢見月
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 11 東大寺 修二会(お水取り)について再度確認しておきたい。
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 12 一旦停止の位置は如何様であろうとも、停止線手前で止まるべし
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 13 「全集とは」
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 14 「釈文」と「書き下し文」と「訓読文」、「しゃく‐ぶん【釈文】」と「しゃく‐もん【釈文】」の違い
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 15 「Pythagoras ピタゴラス(ピュタゴラス)」 「万物は数なり」について
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 16 「Dennis Vincent Brutus ブルータス」について
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱 17 風流踊(ふりゅうおどり)または風流(ふりゅう)