映画『愛しのアイリーン』4,5★/5 原作 - 新井英樹「愛しのアイリーン」 監督・脚本 - 吉田恵輔 安田顕 木野花 ナッツ・シトイ 河井青葉 伊勢谷友介 田中要次
安田顕さんの演技がが見たくて、映画『愛しのアイリーン』を観た。
話の展開は興味深く、映像は美しい。
国内外を含めた貧困問題、田舎の閉鎖的排他的社会、諸外国やその他の差別問題、農家の嫁不足、暴力的支配的社会、永住権や外国人夫問題など重々しい問題点が描かれている。
だが、姨捨山などの民話的にも感じる史実などを以って、遠き夢を見ているような美しい映像として表現されている。
映像の美しいせいか、重くなりすぎない。
それでいて決して軽い映画ではなく、重厚さが感じられる。
おそらく、筋書きの良さに加え、安田顕さんと木野花さんの大熱演が映画の本質をさらに深めておられるのであろう。
あの2枚目役が脳裏に焼きつく安田顕さんが彼の人格を失ったような体当たりの演技をされており、役柄になっておられる。
其迫力は映画の初っぱなから、ラスト近くの亡くなられ方まで続く。
其余韻はラストまで脳裏をかすめる。
木野花さんもまたしかり。
この方にも役柄が乗り移ったのではないか、これはまさしく演技ではなく登場人物本人であると感じさせる。
映画『愛しのアイリーン』をミチェ多くの社会的問題点に触れたが、映画として大変興味深く、楽しむことができたこと。
加えて安田顕さんと木野花さんのあのような迫力ある素晴らしい演技を見ることができて、人生のひと時だが得をした感じがした。
この映画は私は好きです。
以下のデーターは、ウィキペディアより
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原作 - 新井英樹「愛しのアイリーン」(太田出版刊)
監督・脚本 - 吉田恵輔
安田顕
ナッツ・シトイ
河井青葉
ディオンヌ・モンサント
福士誠治
品川徹
田中要次
伊勢谷友介
木野花
桜まゆみ
左時枝
『愛しのアイリーン』(いとしのアイリーン)は、新井英樹の漫画。『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて、1995年19号より1996年42号まで連載された。
「日本(の農村)の少子高齢化」「嫁不足」「外国人妻」「後継者問題」といった社会問題に真っ正面から取り組んだ作品。特に「国際結婚が内包している種々の問題」に対して丁寧に描写されている。終盤にかけては「夫婦の愛情」「母から子への愛情」などにテーマが広がっていき、最終的には「家族の愛」が描かれた。
小学館(ビッグコミックス)から単行本全6巻、後に大都社より全2巻で復刊された。2011年に太田出版より新たに描き下ろしたエピローグ(16ページ)を加えた新装版が上下巻で復刊されている。