『絵本百物語』 巻第三 第十九 葛の葉(くずのは) (『絵本百物語』桃山人著 竹原春泉 画)
葛の葉
信田杜の葛能葉の事ハ
稚児(おさなご)まで知る事なれ者
ここにいわず
葛の葉
しのだのもりの葛の葉の事は
おさなごまで知る事なれば
ここに言わず
恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉
信田(のもり)は、大阪にあります^^
植物のクズの葉の裏を見ると毛が生えているので、狐の毛に見立てて、葛の葉名付けられました(という説があります。)
『説経節』(東洋文庫)より「付 信太妻」
『説経節』から 「付 信太妻」 東洋文庫 平凡社
本文に「。」が付いている場合は「。」 付いて無い場合は「、」突表記しています。
(「尓」「能」などのように、副詞部分はそのまま元字で書いています)
歌舞伎と脚本でで馴染みのある『葛の葉』は好きな演目で、このブログでも何度か取り上げています。
2019年(今年)の7月にも松竹座で中村時蔵さんの『葛の葉』を拝見させていただきました。
まだ記録してませんので、ここでは中村扇雀さんの『葛の葉』をリンクしておきたいと思いますが、記録のみで詳しくは書いていません。
『葛の葉』2013年 松竹座 中村扇雀さんの『葛の葉』は芸術的でした。
『葛の葉』は民俗学でも注目され、多くの有名な学者も葛の葉の異形の意味合いについて記されてます。
また、興味深いのは、葛の葉の子供は、安倍晴明ということになっています。お話って、楽しいと感じます。
好きなお話なので、『絵本百物語』の2回目は巻第三 第十九 葛の葉(くずのは)にいたしました。
『絵本百物語』 巻第三 第 十九 葛の葉(くずのは) (『絵本百物語』桃山人著 竹原春泉 画)
『絵本百物語』 巻第四 第三十五 神那里(かみなり)(下野の国の雷獣のこと、それを狩りとることが「かみなり狩り」)
『絵本百物語』 第三十五 【神那里】かみなり(下野の国の雷獣のこと、それを狩りとることが「かみなり狩り」)