『中世の貧民―説経師と廻国芸人 』塩見鮮一郎著 説経節の名作『小栗判官』を題材に、貴族や高僧、武士ではなく、室町時代の庶民の目から見た貧困、病、宗教、道行きを描く。
文藝文庫 2012年
当時の人々は、どんな暮らしをしていたのか
説経節の名作『小栗判官』を題材に、貴族や高僧、武士ではなく、室町時代の庶民の目から見た貧困、病、宗教、そして恋の道行きを描く。
担当編集者より
中世の人々は、どんな暮らしをしていたのか——。説経節の名作『小栗判官』を題材に、殺された後、蘇生する主人公「をぐり」のたどった熊野への旅を改めて検証するとともに、貴族や高僧といった上流階級ではなく、庶民の目線から見た貧困、病、宗教、そして恋の道行き等々を描きます。文春新書『貧民の帝都』の著者による待望の第2弾です。(IS)
(文藝春愁公式HPより)
以前にも読んだ『中世の貧民―説経師と廻国芸人 』を再読する。
興味深い内容だったので多くを覚えてはいたが、再び興味を持つ。
著者である塩見鮮一郎氏が七十の手習いとして謙遜されていらっしゃるが、氏の辿られた道(参考になさった書物や足取り)を私も学んで見たくなった。
もともと伝統芸能、民俗学、古典、中世などには多少ではあるが興味を持っていたので、上をたどって遊ぶのは、これから先の人生の一部を費やしてもいいのではないかと考える。
面白そうな遊びを見つけてしまったと、ほくそ笑む。
『中世の貧民―説経師と廻国芸人 』は木曜、金曜の二日間をかけてゆっくりと読み進めたが、金曜日から岩波の新古典文学大系(緑)で東洋文庫と照らし合わせながら、これもまた二度目である『古浄瑠璃 説経集』「さんせい太夫」を読み進めている。
「山椒太夫」の中には案山子と言った言葉は出てこないのだが、『中世の貧民―説経師と廻国芸人 』の中に書かれていた箇所に至った時には、喜びを感じた。
『中世の貧民―説経師と廻国芸人 』には興味深い内容が多くあり、講義を受け、復習しているているつもりになって三度目を読もう。
本書はノートを取りながら中身を熟読及び習得したい。
ところで拙ブログである『乱鳥の書きなぐり』で『中世の貧民 』を検索すると、『小栗判官』のページしかヒットしなかった。
このページには
『中世の貧民―説経師と廻国芸人 』によれば、「をくり」の表記は「ふぉぐり」と発生するので、間違いだと指摘されていた。
と書いているので確かに記録しているはずなのだが、検索しても出てこない言葉や記録が多々あるのが残念である。(といっても、大した内容ではないのだが…)
やりたいことが一つ増えた。『説経師 』や謡曲などを含めた、中世の文藝などをしっかりと読みたい。
私なりの人生に小さな花の蕾が出てきた気がする。時間を大切に。楽しい時間を紡ぎたいと思う。
今回も簡単な記録のみにて失礼申し上げます。
『説経節』「信徳丸」東洋文庫(『弱法師』『摂州合邦辻』『文楽瑠璃集 』の「摂州合邦辻」比較)
『説経節』から 「付 信太妻」 東洋文庫 平凡社
『古浄瑠璃 説経集』から「さんせい太夫」 岩波 新版古典大系
『さんせい太夫考』から「説経序説」「さんせい太夫の構造」岩崎武夫著 平凡社選書
東洋文庫『説経節』から「山椒太夫」「注」「解説:山椒太夫」昭和44年3月
『説経節』厨子王丸& 『幸若舞』信太(平将門孫)& 『説経節』小栗判官 = 重瞳、双瞳
『小栗判官』
『中世の貧民―説経師と廻国芸人 』塩見鮮一郎著 説経節の名作『小栗判官』を題材に、貴族や高僧、武士ではなく、庶民の目から見た貧困、病、宗教、道行きを描く。
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