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映画『山椒大夫』 5★ 監督:溝口健二 脚本:八尋不二、依田義賢  1954年 大映 田中絹代 花柳喜章 香川京子 進藤英太郎

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   映画『山椒大夫』 5★ 監督:溝口健二 脚本:八尋不二、依田義賢  1954年 大映 田中絹代 花柳喜章 香川京子 進藤英太郎






 溝口健二監督と依田義賢脚本とがタッグを組んだ映画の一つ、『山椒大夫』を観た。

 溝口健二監督の映画は、最近の私のマイブームの一つになりつつある。

 とにかく、どれを観ても、今のところ満足感が大きいい。


 今回は以前に読み比べた説経節や広義で考えると歌舞伎で見た『雙子隅田川』にも関連性のある映画『山椒大夫』であり、二時間があっという間に過ぎた。

 鴎外では描かれなかった硝煙で繰り広げられているひどい奴隷生活や拷問の場面は原作に基づいて描かれたこの映画は、素晴らしい芸術作品の一つだと感じた。






   
   『説経節』「信徳丸」東洋文庫(『弱法師』『摂州合邦辻』『文楽瑠璃集 』の「摂州合邦辻」比較)
   『説経節』から 「付 信太妻」 東洋文庫 平凡社
   『古浄瑠璃 説経集』から「さんせい太夫」 岩波 新版古典大系
   『さんせい太夫考』から「説経序説」「さんせい太夫の構造」岩崎武夫著 平凡社選書
    東洋文庫『説経節』から「山椒太夫」「注」「解説:山椒太夫」昭和44年3月
   『説経節』厨子王丸& 『幸若舞』信太(平将門孫)& 『説経節』小栗判官 = 重瞳、双瞳





    以下のデーターは全てウィキペディアより ▼

「山椒大夫」(さんしょうだゆう)は、説話「さんせう太夫」をもとにした森鴎外による小説で、鴎外の代表作の一つである。


「安寿と厨子王丸」
 この小説は中世の芸能であった説経節の「五説経」と呼ばれた有名な演目の一つ「さんせう太夫」を原話として執筆され、1915年(大正4年)、森鴎外53歳の時に「中央公論」に掲載された。


 さんせう太夫
 岩城の判官正氏の御台所、その子安寿とつし王(厨子王)が、帝から安堵の令旨を賜るべく都へと向かう途中、人買いにたぶらかされて親子離れ離れに売られ、姉弟は丹後の長者「山椒太夫(三庄太夫)」のもとで奴隷として辛酸をなめる。
 姉の安寿は弟を脱走させたため山椒太夫の息子・三郎によって凄惨な拷問を受けた末に殺されてしまう。
 つし王は神仏により救われて出世し、山椒太夫父子に苛烈な復讐を行う。

 あらすじ
 平安時代の末期、陸奥国の掾であった平正氏は、上役の罪に連座して筑紫国へ左遷された。妻と、安寿・厨子王の幼い姉弟は、正氏に会いに行く途中、越後国で人買いに騙され、離ればなれになってしまった。安寿と厨子王は、丹後国の苛烈な荘園領主・山椒大夫に売られ、奴隷としてこき使われるようになる。
 やがて、成長したふたりは、荘園から脱走することを考えるようになった。
 そしてある日、安寿は厨子王に脱走をすすめる。厨子王は都への上洛を果たし、関白藤原師実の知遇を得て丹後に国司として赴任(実際は遥任であるが)、厨子王の脱走とともに入水した姉の菩提をとむらうとともに、丹後一帯での人買いを禁止。山椒大夫はやむなく、奴隷を解放し賃金労働者として雇うようになる。
 その後、母が佐渡国にいると聞きつけた厨子王は、佐渡にむかい、盲人となった母親に再会する。

 小説化における脚色
 世に知られた安寿・厨子王伝説をいかにして小説『山椒大夫』に仕立てたかを随筆「歴史其儘と歴史離れ」で鴎外自らが具体的に語っている。それによると、伝説の筋書きを基にしながら、登場人物の年齢から実際の年号を振り当て、そのうえで辻褄が合わない、あるいは鴎外の好みに合わない部分に小説的な脚色を加えていったと述べている。
 鴎外は小説化にあたり、安寿の拷問や山椒大夫が処刑される場面など、原話で聴かせ所として具体的に描写される残酷な場面はほとんど切り捨てている。
 また、賃金を支払うよう命じられた一家が、その後むしろ一層富み栄えたというのも森鴎外のオリジナルである。
 また、原作では焼印を押されてしまうが、森鴎外の山椒大夫では、夢の中の出来事として扱われており、お守りの地蔵に焼印が有ったとしている。

   → 映画では説経節の原作に基づき、描かれていた!


 映画
山椒大夫

監督 溝口健二
脚本 八尋不二
依田義賢
製作 永田雅一
出演者 田中絹代
花柳喜章
香川京子
進藤英太郎
河野秋武
浪花千栄子
音楽 早坂文雄
撮影 宮川一夫
編集 宮田味津三
配給 大映
公開 日本の旗 1954年3月31日
上映時間 124分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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1954年3月31日公開。大映製作・配給の溝口健二監督作品。ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を獲得するなど、海外でも高く評価され、溝口の代表作のひとつとなった。


 概要
 依田義賢と八尋不二が共同で脚色し、溝口が監督した。本作は海外でも高く評価され、ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を獲得、『西鶴一代女』『雨月物語』に次いで3年連続でヴェネツィア国際映画祭に入賞した。
 ほか、国内ではキネマ旬報ベストテン第9位にランクインされた。
 ラストの海のシーンはジャン=リュック・ゴダールが『気狂いピエロ』で再現したほどである。


 スタッフ
監督:溝口健二
製作:永田雅一
脚本:八尋不二、依田義賢
企画:辻久一
撮影:宮川一夫
録音:大谷巌
照明:岡本健一[2]
美術:伊藤熹朔
音楽:早坂文雄
編集:宮田味津三
助監督:田中徳三
進行:小澤宏


 キャスト
玉木:田中絹代
厨子王:花柳喜章
安寿:香川京子
山椒大夫:進藤英太郎(東映)
仁王:菅井一郎(第一協団)
吉次:見明凡太郎
小萩:小園蓉子(松竹)
姥竹:浪花千栄子
巫女:毛利菊江
藤原師実:三津田健(文学座)
平正氏:清水将夫(民芸)
曇猛律師:香川良介
太郎:河野秋武
内蔵介工藤:小柴幹治
左太夫:荒木忍
少年時代の厨子王:加藤雅彦 (現在の津川雅彦)
少女時代の安寿:榎並啓子
遊女中君:大美輝子
波路:橘公子
汐乃:金剛麗子
平正末:南部彰三
遊女宿の親方:東良之助
判官代則村:大邦一公
金平:伊達三郎
奴:石原須磨男
木戸の番人:天野一郎
萱野:相馬幸子
船着場の女:小松みどり


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