写真は、昨年(2018年3月)のお水取り
(平成31年度お水取りは、2019年3月1日(金) – 2019年3月14)
◎お松明
1日~11日・13日 19:00~
12日 19:30~
14日 18:30~
毎日10本(※12日は11本)
乱鳥の今更人に聞けない言葉の混乱11 東大寺 修二会(お水取り)について再度確認しておきたい。
息子の縁あって、東大寺にはお参りする機会が多い。
我が子が中学高校生の頃は某ご縁もあって子供は毎年お水取りに行っていた。
本来ならば入れないすぐそばでお松明を鑑賞し、先生や生徒たちで一夜を過ごしていた。
その折、お香水をいただいて帰ってきた。
人や過ごして帰ってきた息子は寝不足のはずであろうに、嬉々とした晴れやかな顔であった。
息子たちはその行事を、正式名である「修二会」と呼んでいたことを思い出す。
毎年会員にもなっているので、東大寺さんからもこの季節には奈良国立博物館の『お水取り展』のチケットを複数枚も頂戴する。
奈良にお住まい(或いは出身)の方達は、お水取りのお松明を見終わった後、
「今年もええ厄払いをさせてもろた。」
と、口々に言いながら変えられる姿に出会うことが多い。
私が生まれ育った地域は元京都の方が多かった。
京都にいた頃は、
「お水取りも終わったし、もう、春、来ますねぇ。」
といったご挨拶を何度か交わしたことがある。
東大寺のお水取りは、京都人の意識の中にも浸透していた。
また、奈良公園あたりは京都の人々も度々訪れる機会が多い、いわば特別の地という意識であった。
お水取り(東大寺)
奈良県にある東大寺二月堂で毎年行われる行の一つ。
正確には「修二会(しゅにえ)」という。
例年、3月1日から14日まで本行が行われ、終わるころには冬が明けていることから、春を告げる行事ともいわれる。
奈良時代から続く伝統行事で、752年以来、途絶えたことがない。
お水取りは、東大寺を開山した良弁(ろうべん)の高弟、実忠が始めたとされている。旧暦の時代は2月1日から実施されていたため、二月に修する法会「修二会」と名付けられた。二月堂の名もこれに由来する。
人々に代わって罪を懺悔(ざんげ)し、天下泰平や五穀豊穣を祈るこの大規模な行事は、まず行を執り行う11人の「練行衆(れんぎょうしゅう)」を決めるところから始まる。
良弁の命日である12月16日に練行衆の発表があると、翌年2月20日に前行である別火(べっか)が始まり、練行衆は泊まりこみで本行の準備に当たる。
そして3月1日、練行衆は行列を組んで二月堂へ向かい、本行が開始される。
本行中、練行衆は毎夜高さ約6メートルの巨大松明(たいまつ)に火をともし、二月堂へ入り深夜まで祈りをささげる。
そのときに唱えられるのが、独特な節回しの「声明(しょうみょう)」。
音楽的で幽玄な響きがあり、CD発売もされている。
練行衆がお堂入りしたあと、燃えさかる松明は舞台の欄干に掲げられるが、これがお水取りの中で最も有名な「おたいまつ」と呼ばれる場面。
降り落ちる火の粉が無病息災をもたらすと言われていることから、たくさんの参拝客が集まる。
本行のクライマックスは12日深夜。
籠松明(かごたいまつ)がたかれ、練行衆は祈りの合間に、二月堂下にある若狭井(わかさい)に水をくみにいく。
これがいわゆるお水取りの儀式だ。くみあげた水は「香水」と呼ばれ、本尊である十一面観音に供えられる。
また本行が終了した15日には、行事に使われた金襴(きんらん)の帽子を幼児にかぶせる儀式が行われ、これをかぶせてもらうと健やかな子が育つと言われていることから、子供連れが大勢二月堂を訪れる。
(高野朋美 フリーライター / 2009年)出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」より
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