81:『日本絵巻大成25 能恵法師絵詞・福富草紙・百鬼夜行絵巻』「福富草紙」解説/春浦院本・クリーブランド美術館本
日本絵巻大成 25
昭和54年
中央公論社
福富草子春浦院本
今、ちまたで評判の…
屁芸で衣などの褒美をもらえると早合点の女房は家中の古着を焼き捨てる。
しかし…
秀武に騙されたと立腹の女房。
御先の神烏に祈る。
〜秀武、お以来に出てこいこい〜ぶったおりょぉ〜
〜秀武、お以来に出てこいこい〜ぶったおりょぉ〜
大通りに出てきた秀武
これ幸いと、女房、噛み付く。
福富草子クリーブランド美術館本
これこれ、しかじか…
秀武はうその屁芸を福富に伝授
身を乗り出し、聞く福富
ひとつでも腹がとけるという朝顔の種
秀武の言葉を信じて10粒のみ、殿の前でへげいに挑む
…後は、言うまい☆
くさきかな くさきかな
こてんぱん こてんぱん
きたなき事 きたなき事
こてんぱん こてんぱん
福富草子春浦院本と同場面の 福富草子クリーブランド美術館本
福富草子春浦院本と同場面の 福富草子クリーブランド美術館本
↓
【同場面比較】
福富草子春浦院本
福富草子クリーブランド美術館本
福富草子春浦院本
福富草子クリーブランド美術館本
福富草子春浦院本は文字が薄くなり読めない。
比べて 福富草子クリーブランド美術館本は美しい状態で保存されており、文字まで読むことができる。
御伽草子を大きく六つに分類
是害房絵詞
「霧太郎天狗酒盛」を思い浮かべたけれど、お話内ようが全く違うのね^^
「福富草紙」の福富と女房の夢を語り合う寝物語の場面は心が和む。
そのシーンに対しての女房の衣を焼いたり夫の背を踏みつけ乱暴するといった強烈な変貌ぶりは世の男性もわが身に置き換えて恐れおののくのではあるまいか…。
しかし、秀武に呪文をかけ往来で噛み付くことや、腹が下り苦しむ夫のためにくすしに薬をもらうけなげな女房はけなげだ。
「福富草紙」は切断され次がれた箇所に間違いがあり、話しが通じないのだが、自分で置き換えて楽しむと広がりを見せる。
ゆかいで面白い「へっぴりじいさん」として有名な「福富草紙」だが、ふかいのねぇ〜☆って感じで、文字が判別できる福富草子クリーブランド美術館本の方で複数回読んだ。