保津川下りの船の櫂(かい)をつなぎとめる縄について ギィイ ギシギシ ギィイー ギジギジ (3景) 2018年秋
保津川下りの船の櫂(かい)をつなぎとめる縄について
漕ぎ出す前
しめ縄とは逆に結われた縄
櫂(かい)を漕ぎ出すと音と泡が生じる。
この写真では泡(白くなった部分)が認められる。
船頭さんは時々つなぎ目に、水をかけられマワつで生じる温度を下げられている。
また、スムーズに動かせるという利点もありそうだ。
ギィイ ギシギシ ギィイー ギジギジ
保津川下りで面白く感じたのは、船の櫂(かい)をつなぎとめる縄でした。
紅葉もまも無い保津川下りは、少し冷たい風が身にさし、心地良いものでした。
ギィイ ギシギシ ギィイー ギジギジ
船頭さんの船を濃く音が急流の中に入り混じります。
ギィイ ギシギシ ギィイー ギジギジ
ギィイ ギシギシ ギィイー ギジギジ
ふと保津川下りの船の櫂(かい)をつなぎとめる縄を見ますと、縄からは泡が生まれ吹いています。
櫂をこぎ、櫂が回される度に、ギィイー ギジギジと泡のぷくぷく ふくふくが、バロック音楽のようです。
船頭さんは櫂を漕ぎ出す前や漕いでいる途中に、何度もなんども水をかけられます。
わたくしが
「摩擦で熱を持つからですか?」
と、お尋ねしますと、まさしくその通りだと答えて下さいました。
泡は、木の渋と縄の摩擦により、生じている様に感じました。
加えて、船頭さんとは泡の話や色々なお話をさせていただき、納得した次第です。
船頭さんは櫂と船との固定安定の縄自体が、しめ縄と反対の方向に結われているとおっしゃっていました。
理由まではおっしゃいませんでしたが、おそらく櫂を漕ぐ反対方向、あるいは進行方向でゆい目が解けやしくない方向に結われているのだと感じました。
ギィイ ギシギシ ギィイー ギジギジ
泡のぷくぷくと櫂のギシギシといった四拍子は二ヶ月以上経った今も心に響いています。