写真は法隆寺の仁王像の手
十代から好きだった歌舞伎役者を嫌いになるという事実。
新白鸚さん 、観客を舐めてはいけません!
高校生の頃から好きだった染五郎→幸四郎(新白鸚)への思いは、
七月大歌舞伎(襲名披露)昼夜を見て完全に消えた。
松本幸四郎改め松本白鸚
市川染五郎改め松本幸四郎 襲名披露
関西・歌舞伎を愛する会 第二十七回
七月大歌舞伎
平成30年7月3日(火)~27日(金)
昼の部 午前11時~
夜の部 午後4時15分~
七月、夫と二人で松竹座にて昼夜観劇。七月大歌舞伎に行き、歌舞伎嫌いになりそうになる。
こんなにひどい興行は、歌舞伎歴四十年以上になるが、初めてであった。
今回も一等席で見たのだが、お金をドブに捨てたような内容である。
今年の七月大歌舞伎は
松本幸四郎改め松本白鸚
市川染五郎改め松本幸四郎 襲名披露
七月大歌舞伎を見た男性。能楽の講義で知り合った男性であるが、
「新白鸚は大根だ。」
と何度も何度も聞いていた。
しかしながら、私は高校生の時分の染五郎の時代から、彼という役者の惚れ込んでいた。
なので、このブログで、何度も反論していた。
しかし、今回の襲名披露の舞台を見て、新白鸚への熱い思いにピリオドを打った。
今回の『河内山』はひどかった。
『河内山』と言えば、仁左衛門丈の通し狂言『河内山』を松竹座で見て、まだ年月も浅い。
仁左衛門丈の『河内山』は、悪の美学を感じさせ、エネルシッシュであり、また場面によっては品格を持って演じておられた。
しかしながら、松本白鸚の『河内山』は力が抜けていた。
身体が辛いので、この演目を選んだというのが、観客に伝わってきた。
『河内山』の後半部分は座っての演技が多い。
松本白鸚は、本来の力を百パーセントは出し切らず、無難に演じていた。
もしくはご病気なのかもしれないが、歌舞伎は決してお安いとは言い難い。
舞台役者である以上、辛いなら辛いなりに、観客を感動させる舞台を見せるべきである。
できぬのなら、襲名披露といった大舞台で客を集めるべきではない。
今回の新白鸚の舞台は歌舞伎の面白さも、『河内山』本来の面白さは感じられなかった。
また染五郎時代からのアクのきつい歌舞伎らしい演技も見受けられなかった。
高い入場料と四十年以上に彼に対する熱い思いはあっという間に消えてしまった。
この思いは私たち夫婦だけではなく、私の周辺の歌舞伎付きが口を揃えて唱えた。
新白鸚の松竹座七月大歌舞伎はひどいと!!!
何も、体がお辛そうだから、舞台がひどいと言ってるのではない。
現に先代の仁左衛門はんが、南座で、
「仁左衛門はんのお通ぅりぃ〜。」
の声を合図に二人に寄り添われて上手から下手に歩いて行かれただけの舞台に感動を覚えたことがある。
先代の仁左衛門はんは二人に支えられながらも、満面の笑みで自信を持って歩いて行かれた。
その時、私は若いながらも、仁左衛門はんは根っからの役者さんなのだと感じた。
我当さんも、同様。
体はお辛そうでしたのに、彼の最大限の力を振り絞って、役者魂を見せてくださった。
ところが今回の松本白鸚は先代の仁左衛門はんや我当さんの足元にも及ばなかった。
また、襲名疲労にもかかわらず、白鸚の演目昼の部の『河内山』だけで、夜はありきたりの口上のみ。
新幸四郎は昼夜出ておられたが、動きが小さい。
また、間が微妙にずれ、違う。
以前松竹座で松羽目物の『棒縛』を演じられた時も、三番叟のリズムに乗せて足を動かすべきところを、ゴキブリが仰向けになり亡くなる前のように、バタバタと動かされていた。
もう少し上手くなると思っていたのだが、幸四郎襲名まできてこれでは、救いようがない。
絶えず口がほころび笑っていらっしゃる。きりりとした面持ちが表現できない。
つまり、どんな役柄でも締まりのない口元なのだ。
芝居も中途半端だが、お顔立ちも中途半端である。
演技が下手でもオーラがあればいい。
遠く絡めてもシルエットだけでもわかる役者ならいい。
しかしながらそれは期待できない。彼こそ大根役者だと感じる。
七月の『女殺油地獄』も引っかかりも迫力も感じられない。
修羅場でさえ、口元がほころんでいる。
芝居の演出も前に前に向かいアップテンポなのに退屈で、丁寧さに欠ける。
同興行では仁左衛門丈がいらっしゃったのに、口惜しい。
仁左衛門丈は歌舞伎座で一世一代『女殺油地獄』を貼られたことがあるので、もう見ることはできない。
一世一代の歌舞伎座の前に、松竹座で、海老蔵さんの代役があった。
怪我をされた海老蔵さんに変わり、急遽仁左衛門丈が演じてくださることになった。
当然私は何度か通った演目である。
仁左衛門丈と新幸四郎を比べても仕方がないのはわかっているが、今回の新幸四郎の油地獄は初めから最後まで、感心しなかった。
つまり本質的な部分の理解と迫力に欠けていた。
周りの役者さんたちが新幸四郎を助け盛り立てておられたが、それだけでは追いつかないくらいにひどかった。
また、金太郎改め新染五郎。
学業があるとはいえ、七月。
二十日頃には夏休みに入るというのに、学業理由で大阪興行には出演しない。
歌舞伎座にはあれほど出演しているというのに、えらく関西を舐めたものだと閉口した。
八月には歌舞伎座の興行に出演。
新染五郎はおそらく、歌舞伎座に万全を期したであろうと、関西では噂が広まっている。
イケメン役者という呼び名は良いが、大阪では彼の力量の品定めもできない始末だ。
藤十郎丈は口上のみ。
好きな彼のお顔を拝見できたのは嬉しかったが、彼は口上挨拶で
「はくほう、はくほう」
と話されていた。
白鴎は確かに「はくほう」とも「はくおう」とも読む。
しかし、固有名詞であるがゆえに、「はくほう」と連呼された藤十郎丈が心配になり、歌舞伎界も終わりかとさみしい思いがした。
これに関してはあるいは私が無知なだけで、「はくほう」と読んでも許されるのかどうかそこまではわからない。
何しろあの立派な役者の藤十郎丈なので、抜かりがないような気もしないではない。
先代の芝翫丈がお亡くなりになり、藤十郎丈も、仁左衛門丈もお年を召され、新白鴎はひどい舞台を観客に平気で見せる。
歌舞伎が私からどんどん遠ざかっていく。
また、真山ものの『御浜御殿綱豊卿』に出られた仁左衛門丈。
『御浜御殿綱豊卿』の仁左衛門丈はこれまでは『御浜御殿綱豊卿』に出演された歌舞伎役者の中で、私が知っている限りでは仁左衛門丈が最も似合い最も美しい役者である。
もちろん仁左衛門丈のこと。大変お上手で感動し、納得がいった芝居をされていた。
しかしこれまでは演技でお年をカバーされていたが、今回は少し残念な思いがした。
芝居は最高級にうまい。仁左衛門丈は最高に位置する歌舞伎役者のお一人である。
だが、今回の『御浜御殿綱豊卿』は白塗りで仁左衛門丈を美しく見せる役柄のはずであったが、期待が大きく、これまた歌舞伎においてさみしい気持ちを味わった。
歌六さんはいつものように素晴らしかった。
歌舞伎を見ているという感じがする。
竹三郎さんも扇雀さんも彌十郎さんも孝太郎さんも吉弥さんも良かった。
とても好きな藤十郎丈と仁左衛門丈のお姿も拝見することができた。
もうそれだけで、満足したことにしようと自分に言い聞かせた。
しかし、何か釈然としない。
今回の襲名披露はひどかった!
なぜなら、白鸚の襲名披露に長年期待を持っていたからだ。
その気持ちはコボブログでも再三にわたり書いていた。
チケット一枚二万円、二人で四枚八万円。非道襲名披露には、捨て金であった。
もう二度と、新白鸚と、新幸四郎中心の興行には行かない。
高校生の頃から好きだっら染五郎(新白鸚)。
ここにきて嫌いな役者になりさがらせた七月大歌舞伎が憎い。
歌舞伎も、今や遠い世界に感じる。
当然のことながら、南座の十一月の白鴎襲名披露には行かない。
十代から慣れ親しんだ南座の改築記念とは言え、行かない。
こんなひどい歌舞伎なら、バレエやオペラや能楽やミュージックを楽しもう。
こんなひどい新白鸚なら、十月の新右團次さんと可愛い新右近(タケル)ちゃんの襲名舞台である松竹座の方が面白いだろうと感じる。
私の中で染五郎(新白鸚)は終わった。
この切ない思い。気持ちの整理がつかず、今まで感想を書けずにいた。
私を歌舞伎嫌いにさせかけた新白鸚が嫌いになった。
また、新幸四郎には歌舞伎役者として、完全に失望した。
新幸四郎さん、もっと歌舞伎の基本を勉強しなさい!!!!!
そして何より 新白鸚さん
観客を舐めてはいけません!!!!!
私は私の感じたままを記録しております。
失礼があればお許しください。
一、廓三番叟(くるわさんばそう)
傾城千歳太夫
新造松ヶ枝
太鼓持藤中
片岡 孝太郎
中村 壱太郎
中村 歌昇
菅原伝授手習鑑
二、車引(くるまびき)
松王丸
桜丸
杉王丸
金棒引藤内
藤原時平公
梅王丸
中村 又五郎
中村 扇雀
中村 種之助
中村 寿治郎
坂東 彌十郎
中村 鴈治郎
河竹黙阿弥 作
天衣紛上野初花
三、河内山(こうちやま)
松江邸広間より玄関先まで
河内山宗俊
高木小左衛門
宮崎数馬
腰元浪路
北村大膳
松江出雲守
幸四郎改め松本 白鸚
坂東 彌十郎
市川 高麗蔵
中村 壱太郎
松本 錦吾
中村 歌六
四、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
武蔵坊弁慶
源義経
亀井六郎
片岡八郎
駿河次郎
常陸坊海尊
富樫左衛門
染五郎改め松本 幸四郎
片岡 孝太郎
市川 高麗蔵
中村 歌昇
中村 種之助
松本 錦吾
片岡 仁左衛門
夜の部
真山青果 作
真山美保 演出
元禄忠臣蔵
一、御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)
徳川綱豊卿
富森助右衛門
中臈お喜世
小谷甚内
上臈浦尾
御祐筆江島
新井勘解由
片岡 仁左衛門
市川 中車
中村 壱太郎
片岡 松之助
上村 吉弥
中村 扇雀
中村 歌六
二代目松本白 鸚
二、十代目松本幸四郎 襲名披露 口上(こうじょう)
幸四郎改め松本 白鸚
染五郎改め松本 幸四郎
坂田 藤十郎
幹部俳優出演
近松門左衛門 作
片岡仁左衛門 監修
三、女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)
河内屋与兵衛
七左衛門女房お吉
山本森右衛門
芸者小菊
小栗八弥
妹おかち
刷毛の弥五郎
口入小兵衛
白稲荷法印
皆朱の善兵衛
母おさわ
豊嶋屋七左衛門
兄太兵衛
河内屋徳兵衛
染五郎改め松本 幸四郎
市川 猿之助
市川 中車
市川 高麗蔵
中村 歌昇
中村 壱太郎
大谷 廣太郎
片岡 松之助
嵐 橘三郎
澤村 宗之助
坂東 竹三郎
中村 鴈治郎
中村 又五郎
中村 歌六
データーは、すべて松竹株式会社 公式HPより
十代から好きだった歌舞伎役者を嫌いになるという事実。
新白鸚さん 、観客を舐めてはいけません!
高校生の頃から好きだった染五郎→幸四郎(新白鸚)への思いは、
七月大歌舞伎(襲名披露)昼夜を見て完全に消えた。
松本幸四郎改め松本白鸚
市川染五郎改め松本幸四郎 襲名披露
関西・歌舞伎を愛する会 第二十七回
七月大歌舞伎
平成30年7月3日(火)~27日(金)
昼の部 午前11時~
夜の部 午後4時15分~
七月、夫と二人で松竹座にて昼夜観劇。七月大歌舞伎に行き、歌舞伎嫌いになりそうになる。
こんなにひどい興行は、歌舞伎歴四十年以上になるが、初めてであった。
今回も一等席で見たのだが、お金をドブに捨てたような内容である。
今年の七月大歌舞伎は
松本幸四郎改め松本白鸚
市川染五郎改め松本幸四郎 襲名披露
七月大歌舞伎を見た男性。能楽の講義で知り合った男性であるが、
「新白鸚は大根だ。」
と何度も何度も聞いていた。
しかしながら、私は高校生の時分の染五郎の時代から、彼という役者の惚れ込んでいた。
なので、このブログで、何度も反論していた。
しかし、今回の襲名披露の舞台を見て、新白鸚への熱い思いにピリオドを打った。
今回の『河内山』はひどかった。
『河内山』と言えば、仁左衛門丈の通し狂言『河内山』を松竹座で見て、まだ年月も浅い。
仁左衛門丈の『河内山』は、悪の美学を感じさせ、エネルシッシュであり、また場面によっては品格を持って演じておられた。
しかしながら、松本白鸚の『河内山』は力が抜けていた。
身体が辛いので、この演目を選んだというのが、観客に伝わってきた。
『河内山』の後半部分は座っての演技が多い。
松本白鸚は、本来の力を百パーセントは出し切らず、無難に演じていた。
もしくはご病気なのかもしれないが、歌舞伎は決してお安いとは言い難い。
舞台役者である以上、辛いなら辛いなりに、観客を感動させる舞台を見せるべきである。
できぬのなら、襲名披露といった大舞台で客を集めるべきではない。
今回の新白鸚の舞台は歌舞伎の面白さも、『河内山』本来の面白さは感じられなかった。
また染五郎時代からのアクのきつい歌舞伎らしい演技も見受けられなかった。
高い入場料と四十年以上に彼に対する熱い思いはあっという間に消えてしまった。
この思いは私たち夫婦だけではなく、私の周辺の歌舞伎付きが口を揃えて唱えた。
新白鸚の松竹座七月大歌舞伎はひどいと!!!
何も、体がお辛そうだから、舞台がひどいと言ってるのではない。
現に先代の仁左衛門はんが、南座で、
「仁左衛門はんのお通ぅりぃ〜。」
の声を合図に二人に寄り添われて上手から下手に歩いて行かれただけの舞台に感動を覚えたことがある。
先代の仁左衛門はんは二人に支えられながらも、満面の笑みで自信を持って歩いて行かれた。
その時、私は若いながらも、仁左衛門はんは根っからの役者さんなのだと感じた。
我当さんも、同様。
体はお辛そうでしたのに、彼の最大限の力を振り絞って、役者魂を見せてくださった。
ところが今回の松本白鸚は先代の仁左衛門はんや我当さんの足元にも及ばなかった。
また、襲名疲労にもかかわらず、白鸚の演目昼の部の『河内山』だけで、夜はありきたりの口上のみ。
新幸四郎は昼夜出ておられたが、動きが小さい。
また、間が微妙にずれ、違う。
以前松竹座で松羽目物の『棒縛』を演じられた時も、三番叟のリズムに乗せて足を動かすべきところを、ゴキブリが仰向けになり亡くなる前のように、バタバタと動かされていた。
もう少し上手くなると思っていたのだが、幸四郎襲名まできてこれでは、救いようがない。
絶えず口がほころび笑っていらっしゃる。きりりとした面持ちが表現できない。
つまり、どんな役柄でも締まりのない口元なのだ。
芝居も中途半端だが、お顔立ちも中途半端である。
演技が下手でもオーラがあればいい。
遠く絡めてもシルエットだけでもわかる役者ならいい。
しかしながらそれは期待できない。彼こそ大根役者だと感じる。
七月の『女殺油地獄』も引っかかりも迫力も感じられない。
修羅場でさえ、口元がほころんでいる。
芝居の演出も前に前に向かいアップテンポなのに退屈で、丁寧さに欠ける。
同興行では仁左衛門丈がいらっしゃったのに、口惜しい。
仁左衛門丈は歌舞伎座で一世一代『女殺油地獄』を貼られたことがあるので、もう見ることはできない。
一世一代の歌舞伎座の前に、松竹座で、海老蔵さんの代役があった。
怪我をされた海老蔵さんに変わり、急遽仁左衛門丈が演じてくださることになった。
当然私は何度か通った演目である。
仁左衛門丈と新幸四郎を比べても仕方がないのはわかっているが、今回の新幸四郎の油地獄は初めから最後まで、感心しなかった。
つまり本質的な部分の理解と迫力に欠けていた。
周りの役者さんたちが新幸四郎を助け盛り立てておられたが、それだけでは追いつかないくらいにひどかった。
また、金太郎改め新染五郎。
学業があるとはいえ、七月。
二十日頃には夏休みに入るというのに、学業理由で大阪興行には出演しない。
歌舞伎座にはあれほど出演しているというのに、えらく関西を舐めたものだと閉口した。
八月には歌舞伎座の興行に出演。
新染五郎はおそらく、歌舞伎座に万全を期したであろうと、関西では噂が広まっている。
イケメン役者という呼び名は良いが、大阪では彼の力量の品定めもできない始末だ。
藤十郎丈は口上のみ。
好きな彼のお顔を拝見できたのは嬉しかったが、彼は口上挨拶で
「はくほう、はくほう」
と話されていた。
白鴎は確かに「はくほう」とも「はくおう」とも読む。
しかし、固有名詞であるがゆえに、「はくほう」と連呼された藤十郎丈が心配になり、歌舞伎界も終わりかとさみしい思いがした。
これに関してはあるいは私が無知なだけで、「はくほう」と読んでも許されるのかどうかそこまではわからない。
何しろあの立派な役者の藤十郎丈なので、抜かりがないような気もしないではない。
先代の芝翫丈がお亡くなりになり、藤十郎丈も、仁左衛門丈もお年を召され、新白鴎はひどい舞台を観客に平気で見せる。
歌舞伎が私からどんどん遠ざかっていく。
また、真山ものの『御浜御殿綱豊卿』に出られた仁左衛門丈。
『御浜御殿綱豊卿』の仁左衛門丈はこれまでは『御浜御殿綱豊卿』に出演された歌舞伎役者の中で、私が知っている限りでは仁左衛門丈が最も似合い最も美しい役者である。
もちろん仁左衛門丈のこと。大変お上手で感動し、納得がいった芝居をされていた。
しかしこれまでは演技でお年をカバーされていたが、今回は少し残念な思いがした。
芝居は最高級にうまい。仁左衛門丈は最高に位置する歌舞伎役者のお一人である。
だが、今回の『御浜御殿綱豊卿』は白塗りで仁左衛門丈を美しく見せる役柄のはずであったが、期待が大きく、これまた歌舞伎においてさみしい気持ちを味わった。
歌六さんはいつものように素晴らしかった。
歌舞伎を見ているという感じがする。
竹三郎さんも扇雀さんも彌十郎さんも孝太郎さんも吉弥さんも良かった。
とても好きな藤十郎丈と仁左衛門丈のお姿も拝見することができた。
もうそれだけで、満足したことにしようと自分に言い聞かせた。
しかし、何か釈然としない。
今回の襲名披露はひどかった!
なぜなら、白鸚の襲名披露に長年期待を持っていたからだ。
その気持ちはコボブログでも再三にわたり書いていた。
チケット一枚二万円、二人で四枚八万円。非道襲名披露には、捨て金であった。
もう二度と、新白鸚と、新幸四郎中心の興行には行かない。
高校生の頃から好きだっら染五郎(新白鸚)。
ここにきて嫌いな役者になりさがらせた七月大歌舞伎が憎い。
歌舞伎も、今や遠い世界に感じる。
当然のことながら、南座の十一月の白鴎襲名披露には行かない。
十代から慣れ親しんだ南座の改築記念とは言え、行かない。
こんなひどい歌舞伎なら、バレエやオペラや能楽やミュージックを楽しもう。
こんなひどい新白鸚なら、十月の新右團次さんと可愛い新右近(タケル)ちゃんの襲名舞台である松竹座の方が面白いだろうと感じる。
私の中で染五郎(新白鸚)は終わった。
この切ない思い。気持ちの整理がつかず、今まで感想を書けずにいた。
私を歌舞伎嫌いにさせかけた新白鸚が嫌いになった。
また、新幸四郎には歌舞伎役者として、完全に失望した。
新幸四郎さん、もっと歌舞伎の基本を勉強しなさい!!!!!
そして何より 新白鸚さん
観客を舐めてはいけません!!!!!
私は私の感じたままを記録しております。
失礼があればお許しください。
一、廓三番叟(くるわさんばそう)
傾城千歳太夫
新造松ヶ枝
太鼓持藤中
片岡 孝太郎
中村 壱太郎
中村 歌昇
菅原伝授手習鑑
二、車引(くるまびき)
松王丸
桜丸
杉王丸
金棒引藤内
藤原時平公
梅王丸
中村 又五郎
中村 扇雀
中村 種之助
中村 寿治郎
坂東 彌十郎
中村 鴈治郎
河竹黙阿弥 作
天衣紛上野初花
三、河内山(こうちやま)
松江邸広間より玄関先まで
河内山宗俊
高木小左衛門
宮崎数馬
腰元浪路
北村大膳
松江出雲守
幸四郎改め松本 白鸚
坂東 彌十郎
市川 高麗蔵
中村 壱太郎
松本 錦吾
中村 歌六
四、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
武蔵坊弁慶
源義経
亀井六郎
片岡八郎
駿河次郎
常陸坊海尊
富樫左衛門
染五郎改め松本 幸四郎
片岡 孝太郎
市川 高麗蔵
中村 歌昇
中村 種之助
松本 錦吾
片岡 仁左衛門
夜の部
真山青果 作
真山美保 演出
元禄忠臣蔵
一、御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)
徳川綱豊卿
富森助右衛門
中臈お喜世
小谷甚内
上臈浦尾
御祐筆江島
新井勘解由
片岡 仁左衛門
市川 中車
中村 壱太郎
片岡 松之助
上村 吉弥
中村 扇雀
中村 歌六
二代目松本白 鸚
二、十代目松本幸四郎 襲名披露 口上(こうじょう)
幸四郎改め松本 白鸚
染五郎改め松本 幸四郎
坂田 藤十郎
幹部俳優出演
近松門左衛門 作
片岡仁左衛門 監修
三、女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)
河内屋与兵衛
七左衛門女房お吉
山本森右衛門
芸者小菊
小栗八弥
妹おかち
刷毛の弥五郎
口入小兵衛
白稲荷法印
皆朱の善兵衛
母おさわ
豊嶋屋七左衛門
兄太兵衛
河内屋徳兵衛
染五郎改め松本 幸四郎
市川 猿之助
市川 中車
市川 高麗蔵
中村 歌昇
中村 壱太郎
大谷 廣太郎
片岡 松之助
嵐 橘三郎
澤村 宗之助
坂東 竹三郎
中村 鴈治郎
中村 又五郎
中村 歌六
データーは、すべて松竹株式会社 公式HPより