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Channel: 乱鳥の書きなぐり
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『梁塵秘抄』  極楽歌 六首「極楽浄土のめでたさは 一つもあだなることぞなき」新潮日本古典集成

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    (写真は『蔵謎』(クラゾナ)  ヤン・リーピン)





『梁塵秘抄』鳥合わせ【烏は見る世に色黒し 鷺は年は経れ(ふれ)どもなほ白し…】など



 只今読んでいる途中の
  『梁塵秘抄』
    新潮日本古典集成31回 榎克朗、
    日本詩人選22 西郷信綱
   (新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す 以下省略)
  から、
    今回は極楽歌 六首を書き写す。






   極楽歌 六首

 175 極楽浄土は一所(ひとところ)
    つとめあければ程(ほど)遠し
    われが心の愚かにて
    近きを遠しとおもふなり
          P.82(新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す)

 176 極楽浄土の東門(とうもん)は  
    難波の海にぞ対(むか)へたる
    転法輪所(てんぽうりんしょ)の西門(さいもん)は
    念仏する人 参れとて
          P.83(同上)

 178 極楽浄土のめでたさは
    一つもあだなることぞなき 
    吹く風 立つ風 鳥もみな
    妙(たへ)なる法(のり)をぞ唱(とな)ふなる 
          P.83(同上)
       
 179 極楽浄土の宮殿(くでん)は  
    瑠璃の瓦を青く葺(ふ)き
    真珠の垂木(たるき)を造り並(な)め
    瑪瑙(めのう)扉(とぼそ)を押し開き
          P.83-84(同上)

 180 十方仏土の中には
    西方をこそ望むなれ
    九品蓮台(くほんれんだい)の間(あひだ)には
    下品なりとも足(た)んぬべし  
          P.84(同上)

 181 浄土はあまたあんなれど
    弥陀(みだ)の浄土ぞすぐれたる 
    九品(ここのしな)なんなれば
    下品下(げひんげ)にてもありぬべし  
          P.84(同上)



【転法輪 (てんぼうりん)】とは (ブリタニカ国際大百科事典)
 法輪を転じること。転梵輪ともいう。
 釈尊が説法して人々の迷いを砕くことを,戦車が進んでいって敵を破ることにたとえたもの。
 現在のインドの国旗にある輪は,この法輪をデザインしたもの。
 釈尊が悟ったのち初めて5人の比丘に鹿野苑で説法したことを特に初転法輪と呼び,好んで仏教美術のテーマとされる。

【転法輪 (てんぼうりん)】とは (三省堂 大辞林)
 仏の教法を説くこと。
 仏法が誤った考えや煩悩を破砕することを,転輪聖王(てんりんじようおう)が輪宝(りんぽう)という武器によって敵を降伏させたことにたとえていう。

【転法輪所】 論文
 四天王寺釈迦如来転法輪所の伝承 : 梁塵秘抄今様一七六番歌の周縁(鈴木佐内先生古稀記念号)
 鈴木 佐内
 和洋女子大学


【下品下(げひんげ)】
 浄土教では、生前の行いによって、極楽浄土に生まれ変わるとき、九つのパターンがある、とされています。
 九つのパターンは、上中下の三品と、上中下の三生の組み合わせで表されます。
 九つのパターンは、極楽浄土から迎えに来る仏様のメンバーや乗り物などが異なるらしい。


 

 

 





 以前書き写した歌 ▼  

 116 女人 五つの障りあり
    無垢の浄土はうとけれど
    蓮華し濁りに開くれば
    龍女(りゅうにょ)もほとけになりにけり  P.60(新潮日本古典集成31回 榎克朗から書き出す 以下省略)

 359 遊びをせんとや生まれけむ 
    戯れせんとや生まれけむ
    遊ぶ子どもの声きけば
    わが身さへこそゆるがるれ      P.151(同上 以下省略)

鳥合わせ
 386 烏は見る世に色黒し
    鷺は年は経れ(ふれ)どもなほ白し
    鴨の頸(くび)をば短しとて継ぐものか
    鶴の脚(あし)をば長しとて切るものか
          P.162

 387 小鳥の様(よう)がるは
    四十雀(しじゅうからめ) ひは鳥 燕(つばくらめ)
    三十二相 足らうたる啄木(てらつつき)
    鴛(をし) 鴨 そい 川に遊ぶ   
          P.162
               そい=カワセミ
 388 西の京行けば
    雀 燕(つばくろめ) 筒鳥(つつどり)や さこそ聞け
    色好みの多かる世なれば
    人は響む(とよむ)とも 麻呂だに響まずは(とよまずは)
          P.162
          387 燕(つばくらめ)
          388 燕(つばくろめ)

 394 女の盛りなるは
    十四五六歳 二十三四とか
    三十四五にし なりぬれば
    紅葉の下葉に異ならず        P.165

 410 頭(こうべ)に遊ぶは頭虱(あたましらみ)
    項(をなじ)の窪を極めて(きめて)食う(くう)
    くしの歯より天降る(あまくだる)
    麻小け(まごけ)の蓋にて命(めい)終わる   P.170-171

 556 東(あずま)には
    女はなきか 男巫女(おとこみこ)
    さればや神の男には憑く(つく)   p.219

 557 神ならば
    ゆらら さららと降りたまへ
    いかなる神か もの恥はする     P.219

 558 この巫女は様がる(ようがる)巫女よ
    帷子に 尻をだにかかいで
    ゆゆしう憑き(つき)語る これを見たまへ  P.219-220


 


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