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昼の部 『天保遊侠録』『女夫狐』『寺子屋』 関西・歌舞伎を愛する会 第二十三回 七月大歌舞伎 

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  昼の部 『天保遊侠録』『女夫狐』『寺子屋』 関西・歌舞伎を愛する会 第二十三回 七月大歌舞伎





 

大阪松竹座

関西・歌舞伎を愛する会 第二十三回
七月大歌舞伎
平成26年7月3日(木)〜27日(日)

 

 七月初旬に夜の部、七月下旬に二日連日で昼夜の合計三度七月大歌舞伎を楽しませて頂く。
 今回の歌舞伎は大変堪能した。

 まず夜の部を見て満足したので、帰宅後に急きょ夜の部を追加予約した。
 私は最前列は苦手だが、家族の要望でかぶりつきで見るはめになる。
 ただし、『女伊達』の展開以外はなじみの演目なので、芝居内容画ある程度把握しているため、ある意味、かぶりつきは心がはずんで楽しいものだった。

 家族の場合は同じ演目を二度見たのは初めてで、同じ芝居同じ役者の芝居が日によってまた違った味わえることを感じたようで、
「芝居は生ものなんだね。」
と喜んでいた。

 

 

 

 昼の部

 『天保遊侠録(てんぽうゆうきょうろく)』

 真山物の『天保遊侠録(てんぽうゆうきょうろく)』はテレビでは何度か見ていたが、劇場で見るのは初めて。
 橋之助さんがぴったりはまり役といった感じの勝小吉であった。

 この芝居、筋書きもさることながら、当時の様子がよく分かる。
 茶菓子や酒魚や身分といった事が手に取るようにわかった。

 

 『女夫狐(めおとぎつね)』

 常磐津舞踊に合わせての、翫雀さんと扇雀さんの舞踊『女夫狐』
 品の良い、翫雀さんと扇雀さんの『女夫狐』だった。

 翫雀さんの時々ふと見せる愛らしさとこの舞踊にぴったりの扇雀さん

 この舞踊を見ていて、扇雀さんの『葛の葉』を見たくなった。
 扇雀さんの『葛の葉』(松竹座)は見て良かったと思える、心に残る舞台の一つであった☆
 
 翫雀さんもがんばっておられた。
 最後花道での狐六法で、カッコいいな!と感じた☆

 

 『寺子屋』

 仁左衛門さんも素敵だし、松王丸はカッコいい。
 私は仁左衛門さんの松王丸も好きだ。
 
「無礼者め!」
で、心がときめいた。

『寺子屋』を見て、涙がじんわりと溢れ出た。
『寺子屋』での仁左衛門さんは演目に会わせて固く、内からにじみ出る悲しみと内心の忠義に答えられる事ので着た満足感とをあらわされ、見事な表情をつくられておられた。
 今回の興行の夜の部の『身替座禅』の右京の愛らしさやコミカルさとは打って変わったメリハリとパンチの効いた演目の選び方で、素晴らしい役者三打と今回も痛感した。
 十代の頃から好きな役者さんの一人だった仁左衛門さん
 仁左衛門さんを好きで良かったと感じた。

 今回七月の後半(下旬)に楽しませて頂いた。
 仁左衛門さんは少しお疲れになられていた様子で、星座がおつらそうであった。
 黒子の協力を得て、全力で演じられた仁左衛門さん
 復帰されて間もなくの事でこんなに力強い松王丸を(演じられるというよりなりきられる)役者さんに拍手を送りたいと素直に思った。

 松王の女房、千代を演じられたのは時蔵さん。
 素晴らしく見入ってしまった☆
 やはり時蔵さんはすごい役者さんだと感じた☆
 

 
 


昼の部

一、天保遊侠録(てんぽうゆうきょうろく)
   
勝小吉 橋之助
坂本屋の八重次 孝太郎
松坂庄之助 国 生
芸者茶良吉 児太郎
唐津藤兵衛 松之助
井上角兵衛 橘三郎
大久保上野介 市 蔵
中臈阿茶の局 秀太郎
吉野山雪の故事


一、天保遊侠録(てんぽうゆうきょうろく)

 貧乏旗本の小吉は、若い頃から気ままな暮らしぶりでしたが、秀才の誉れ高い愛息麟太郎の行く末を思い、自らの出世を画策し、組頭たちを招き饗応の宴を催します。しかし、上役の腐敗ぶりを目の当たりにしては元来の性格を抑えきれず、啖呵切って糾弾するのでした。来合わせた伯母阿茶の局がその場を収めますが…。
 昔馴染みの芸者八重次との再会や、父親思いの麟太郎の決断など、重なる出来事から自身の無鉄砲な生き方を見つめる小吉の姿を活写した、真山青果の新歌舞伎です。


二、女夫狐(めおとぎつね)
   
又五郎実は塚本狐 翫 雀
楠帯刀正行 菊之助
弁内侍実は千枝狐 扇 雀
菅原伝授手習鑑

二、女夫狐(めおとぎつね)

 雪深い館で一人、楠帯刀正行が亡き恋人の弁内侍を想い形見の鼓を打っていると、又五郎という供を連れた弁内侍が訪ねてきます。不審に思う正行の前に現れたのは、実は狐の夫婦で、鼓の皮にされた親狐を慕いやって来た塚本狐と、妻の千枝狐でした。
 『義経千本桜』の「川連法眼館の場」をもとにした作品で、二人を怪しむ正行からの問いかけに、様々な舞いで答える展開がみどころの常磐津舞踊です。


三、寺子屋(てらこや)
   
舎人松王丸 仁左衛門
松王女房千代 時 蔵
源蔵女房戸浪 菊之助
涎くり与太郎 国 生
百姓吾作 松之助
春藤玄蕃 市 蔵
武部源蔵 橋之助
御台園生の前 秀太郎

三、寺子屋(てらこや)

 寺子屋を営む武部源蔵と妻の戸浪は、主君・菅丞相の嫡子、菅秀才を匿う生活をしていましたが、敵方に知られ、菅秀才の首を討つように命じられます。逃れる手立てのない源蔵は、今日寺入りしてきた小太郎の首を替わりに差出すと、首実検役の松王丸が間違いないと断言して立ち去ります。安堵する夫婦でしたが、そこへ小太郎の母千代が迎えにやってきて…。
 歌舞伎三大名作の義太夫狂言『菅原伝授手習鑑』。その中でも、忠義を尽くす二組の夫婦の姿を描いた重厚な一幕です。

 

夜の部

伊賀越道中双六
一、沼津(ぬまづ)
   
呉服屋十兵衛 藤十郎
お米 扇 雀
池添孫八 進之介
雲助平作 翫 雀

一、沼津(ぬまづ)

 東海道を旅する呉服屋の十兵衛は、年老いた雲助の平作と出会い、気が合うことから荷物を持たせます。途中出会った平作の娘お米に一目ぼれした十兵衛は、平作に勧められるまま一夜の宿を借りますが、お米が十兵衛の印籠を盗もうとしたことから、三人は 思わぬ因縁を知るのでした。
 人形浄瑠璃「伊賀越道中双六」を歌舞伎化した作品で、親子の深い縁がたどる悲痛な運命を、細やかに描き出した名作です。


二、新古演劇十種の内 身替座禅
   
山蔭右京 仁左衛門
太郎冠者 橋之助
侍女千枝 梅 枝
同 小枝 児太郎
奥方玉の井 翫 雀

二、新古演劇十種の内 身替座禅

 恐妻家の大名・山蔭右京は、恋人に会いに行くため一計を案じ、奥方玉の井に、夢見が悪いので邸内の持仏堂で座禅をしたいと願います。一日ならばと許可をもらった右京は、家来の太郎冠者に座禅衾を被せ身替わりにし、いそいそと出かけるのでした。しかし、玉の井が見舞いに来てしまい…。
 狂言の大曲「花子」を素材とした作品らしく、格調とユーモア溢れる内容が楽しい舞踊劇です。


三、真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)
豊志賀の死
   
豊志賀 時 蔵
お久 梅 枝
噺家さん蝶 萬太郎
伊東春海 橘三郎
勘蔵 竹三郎
新吉 菊之助


三、真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)
    豊志賀の死

 富本節の師匠の豊志賀は、二十歳近く年下の弟子新吉と深い仲になりますが、顔に腫れ物ができる病になってからは、弟子お久と新吉の仲を疑い、焦りから病は重くなる一方でした。ある日、看病に疲れた新吉は、不仲の継母から逃れたいお久と逃げる決心をしますが、ふと豊志賀の声が聞こえたようで怖くなり、一人で伯父勘蔵の家へ逃げ込みます。すると心配で来ていたという豊志賀が現れて…。
 三遊亭円朝の口演をもとにした、近代怪談劇の傑作をお楽しみください。


四、女伊達(おんなだて)
   
女伊達木崎のお秀 孝太郎
男伊達淀川の千蔵 萬太郎
同  中之島鳴平 国 生


四、女伊達(おんなだて)

 新吉原の仲之町。桜が満開の華やいだ街に、美貌の女伊達がやってきます。挑みかかる二人の男伊達を鮮やかに追い払うと、恥じらいながら自身の恋を語り始めるのでした。
 五変化舞踊『邯鄲園菊蝶(かんたんそのにきくちょう)』より、夏の景をもとにした華のある一幕をご覧いただきます。


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